HYスカイフェス「音楽の幸せ」共有 親子連れも笑顔、ステージ外でも…


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 「HY SKY Fes 2020→2021」が12日、沖縄市の県総合運動公園多目的広場であった。新型コロナウイルス感染症の影響で2度の延期をし、約1年9カ月ぶりに開催された。快晴の空の下で繰り広げられたライブパフォーマンスに、来場者は瞳を輝かせ大きく手を振り応えた。

 HYの新里英之が「大変な世の中だけど、みんなが一生懸命頑張ったから、今日のこの日があります! 皆さん楽しみましょう」と観客に呼び掛け、「エール」でオープニングを飾った。バブリーダンスで一世を風靡(ふうび)したアカネキカクのパフォーマンスが続き、名護市出身の大城美友が、無邪気なMCと好対照な力強い歌声で会場を盛り上げた。

 ファンキー加藤、「肝高の阿麻和利」のステージの後、清水翔太が登場すると、客席からは黄色い声援が上がった。20年ぶりの沖縄ライブだというキックザカンクルーは「マルシェ」など、ヒット曲を次々と披露。会場を熱気に包み、ラストのHYのステージにつなげた。

 HYは1曲目に「no rain no rainbow」(雨が降らなければ、虹は出ない)をチョイスし、コロナ禍の先に希望を抱く人々へエールを送った。中盤には清水がサプライズゲストで登場し、「366日」を仲宗根泉と歌った。観客はうっとりとした表情で2人の美声に聞き入った。「フェスが、子どもたちに夢を与えるきっかけになってほしい」というHYの思いから、「帰る場所」では、琉球國祭太鼓と真和志高校手話部の学生が共に舞台に立ち、パフォーマンスを披露した。

 ラスト2曲はミリオンセラーを達成したセカンドアルバムより「AM11:00」と、クリスマス風に一部アレンジした「隆福丸」を歌い、アンコールは「ホワイトビーチ」で締めくくった。

 遊具を活用したりワークショップエリアを設けたりと、子育て世帯への配慮が感じられ、親子連れが多く見られた。また、フェス当日と翌日にHY自身もボランティアと共に会場のごみ拾いに参加するなど、ステージ外でも人柄でファンを魅了した。

 終演後、HYのメンバーは観客の楽しそうな姿を振り返り、幸せそうな表情と共に感謝の言葉を述べた。
 (藤村謙吾、写真も)