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名護市辺野古の新基地建設を巡る県と国の裁判のうち、唯一係争中の訴訟の控訴審判決で県が敗訴した。県は上告する見通しで年内にも判断の時期を見極めていく。今回の敗訴も含め、これまでの県と国の裁判は、審査請求で国が県の判断を取り消した裁決の適法性は判断されず、玉城デニー知事は「地方自治の未来に取り返しのつかないダメージを与える」と懸念を示す。
地方自治へ打撃懸念
軟弱地盤改良工事などの設計変更申請を県が不承認とした処分についても、国は対抗措置として行政不服審査法に基づく審査請求をした。県は今後、全国の自治体などに向けて、地方自治の問題として国や司法の在り方を広く問題提起していく構えだ。
新基地建設を巡る県と国の訴訟はこれまで9件あり、うち4件で県の敗訴が確定した。7月のサンゴ是正指示に関する最高裁判決は敗訴したが、裁判官5人中2人が県の主張を支持する反対意見を付けた。県庁内では司法への期待感も広がったが、今回の敗訴で県幹部は「想定はしていたが、多少地方に寄り添った判決が出ると思っていた」と肩を落とす。
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県の原告の資格がまたも認められず、国が審査請求で県の埋め立て承認撤回を取り消した適法性は判断されなかった。玉城知事は敗訴を受けた会見で「地方自治体の判断がうやむやになることに危惧を示さねばならない」と世論喚起の必要性を指摘した。
上告の期限は2週間で、県は年内にも対応を判断する必要がある。別の県幹部は「ネバーギブアップでできることをやっていく」という姿勢を示す。
一方、沖縄防衛局は設計変更不承認を受けて、国土交通相に審査請求しており、国交相は県の不承認を取り消し、新たな法廷闘争に移行する公算が大きい。
政府関係者は今回の判決を当然視しており、既に設計変更を巡る攻防に関心が移っている。
(塚崎昇平)