慰霊の日の平和宣言を公募で作成 玉城知事、復帰50年踏まえ


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玉城デニー知事=16日夜、那覇市の沖縄ハーバービューホテル(高辻浩之撮影)

 玉城デニー知事は16日、来年6月23日の「慰霊の日」に読み上げる「平和宣言」について、県民からメッセージなどを公募して作成すると明らかにした。那覇市内のホテルで開いた就任3周年の県政報告会で報告した。来年は沖縄の日本復帰50年の節目を迎えることを踏まえ、玉城知事は「一人一人の声が50年を経て、未来、100年に向かってスタートする平和宣言にしたい」と強調した。

 玉城知事は「県民からメッセージやキーワード、あるいはこういう思いを込めてほしいということを募集し、県民の声や思いをじかに注ぎ込んだ平和宣言を作るため部局で取り組みを進めている」と説明した。

 慰霊の日の「沖縄全戦没者追悼式」で知事が読み上げる平和宣言は一時期を除き、県職員が起案し、県三役との調整を経て最終的に知事が内容を決める流れで作成されてきた。

 一方、原爆投下があった広島市や長崎市は市民の声を盛り込んで「平和宣言」を作成している。長崎市は被爆者や被爆2世、学生らを交えた起草委員会が発足し、委員長を務める市長が市民の意見を聞いて宣言を練り上げる。広島市も被爆者を交えた懇談会を開催するなどして宣言を作成してきた。
 (大嶺雅俊)