石川高「1万人の第九」参加 沖縄から中継、歌声を会場へ


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 慶田城 七瀬
「サントリー1万人の第九」にオンライン参加した石川高校の生徒たち=5日、うるま市の同校

 大合唱団が声をそろえ、ベートーベンの交響曲第9番を歌う師走恒例のイベント「サントリー1万人の第九」(毎日放送主催)が5日、大阪城ホールで開催され、全国の学校から選ばれた2校のうちの一つ、石川高校のアクティブ音楽クラスの生徒約30人がオンラインで参加し、沖縄から会場へ歌声を届けた。石川高校は昨年からの連続出場。生徒は会場で総監督を務める国際的指揮者の佐渡裕さんとの掛け合いに緊張しながらも、迫力満点のオーケストラとソリストの演奏に歌声を乗せ合唱を楽しんだ。

 「サントリー1万人の第九」は例年1万人の合唱団を集めるが、新型コロナウイルス感染症の影響を受け昨年から開催方法を変更。大阪城ホールでの生演奏に、事前に集めた動画の歌声と、中継先から届ける歌声を重ねて1万人による合唱を演出した。今回は石川高校の他、岩手県の釜石市立唐丹中学が選出された。

 この日誰よりも緊張していたのは3年生の金城洸太さん(17)。合唱前に中継先の司会者や佐渡さんに学校の紹介をする場面があり、「うまくしゃべれるかな」と落ち着かなかった。同級生に励まされながら大役を果たし、無事にクライマックスの大合唱を迎えた。目の前の大型テレビとスピーカーから会場の生演奏が流れ出すと、生徒から「すごい」と声が漏れた。圧倒されながらも練習の成果を発揮し、歌い終わるとほっとして座り込んでしまった生徒もいた。

 2年生の神谷佑月さん(17)は「去年参加した3年生がそばにいたので心強かった。いい体験ができた」と胸をなで下ろした。前日が受験日だった當眞千尋さん(18)は「勉強に忙しくて練習不足が不安だったけど、歌いきることができた。高校最後の思い出ができた」と喜んだ。(嘉数陽)