県経済界、封じ込め要求 オミクロン初確認、活動再開へ影響懸念


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 米軍キャンプ・ハンセン勤務の基地従業員が新型コロナウイルスの新変異株「オミクロン株」に感染したほか、同基地内では米軍関係者の大規模なクラスターも発生している。新規感染者の沈静化に伴って県内で経済活動が徐々に再開している中、経済への影響を懸念する声が広がる。年末年始の繁忙期を迎える飲食や観光事業者は徹底した封じ込めを求めた。

 県内でのオミクロン株確認について、県飲食業生活衛生同業組合の鈴木洋一理事長は「米軍基地の水際対策が非常に重要だ。県が国に対してしっかり要請してほしい。われわれも各支部と意見交換し、基地従業員の飲食店の利用などについて検討していく」と述べた。

 那覇市内にあるホテルの総支配人は「風評被害が一番怖い。報道に騒がれると来年1、2月の修学旅行がキャンセルされる可能性もある」と警戒する。

 ホテルでは年末年始にかけて客室稼働率は約50~60%を見込んでいる。「感染防止対策としてまず考えられるのは米軍関係者の外出禁止だが、これまで禁止されても守っていなかった。今回は基地の中で収束してほしい」と願った。

 名護市の観光施設では今月25日ごろから入園者数が増える見込みで、年明けには修学旅行の予定やスポーツのキャンプシーズンに突入する。経営者は「(観光に)影響がないか懸念している。県や医療関係にはしっかり押さえ込みができることを期待している」と話した。

 修学旅行の貸し切りバス需要に回復の兆しがある中で、県バス協会の小川吾吉会長は「感染が収まって、ようやくこれからというところだ。拡大しないよう食い止めてほしい」と祈る。12月の修学旅行は予約の6割以上がキャンセルされているが、1月中旬から2月にかけて延期していた学校が入ってくる見通しといい、「悪影響が生じないか心配だ」と懸念した。
 (中村優希まとめ)