バドミントンの第62回県総合シングルス選手権大会最終日は19日、宜野湾市立体育館で男女の決勝を行い、男子は金城智大(SSキクムラ)が2013年以来、2度目の栄冠をつかみ、女子は與儀美羽(金武地区消防)が3連覇を飾った。
◆金城勝負の2ゲーム目躍動 激しいラリーもコート縦横無尽
2、3ゲームで勝利をたぐり寄せた29歳の金城智大(SSキクムラ)のさわやかな笑顔がコート上で光り輝いた。「20歳のころに成人式をすっぽかして出場し、優勝して以来」と2度目の栄冠を喜んだ。
糸満市出身の後輩である西平賢矢(琉球ブルファイツ)との決勝。互いに縦横無尽にコートを駆け回り、シャトルを打ち合う音が響いた。ラリーが続く好ゲームは、互いのこれまでの試合勘と空間認知感覚を下敷きに、せめぎ合いが繰り広げられた。
「僕はスロースターターでエンジンがかかるのが遅い。2ゲーム目でどう攻めるかが勝負だった」。出だしでリードしペースを握る。低い姿勢で重心をかけたレシーブが弱点とにらみ、角度のあるショットなどで揺さぶった。「攻めすぎてもいけない。相手の嫌がる所へシャトルを運んだ」と安定感を発揮した。
沖縄水産高から東海学院大(岐阜)へ進み、社会人になってもバドミントン中心の生活を送ってきた。
沖縄に戻ったのは11月末。「学んできた知識や経験を還元できればいい。体が動くうちは現役を続けて、地元糸満に恩返しがしたい」と県内バドミントン界の盛り上げに尽力することを誓った。
(大城三太)
◆流れ来るまで根気強く我慢 與儀、冷静に対応
今年社会人1年目の與儀美羽(金武地区消防)が3連覇を達成した。大城美思(住友生命)とは2年前の決勝でも対戦し、小学生から知る間柄だ。
1ゲーム目は「点差を離されてあせってしまった。決め急いでしまい、逆に攻められた」と最初でつまずいた。しかし冷静だった。試合勘が働き、相手のミスを誘う作戦に切り替えた。「流れが来るのを我慢強く待った」と根気強いレシーブで様子見をしながら、勝負どころでは強打で得点した。
2、3ゲームとも競り合う展開となったが、相手のミスを引き出して逃げ切った。今大会、準々決勝で中学生が5人勝ち残った。若い世代の成長を喜び、「まだまだ後輩には負けられない」と優勝の原動力になった。
(大城三太)