基地の外でもマスク外し…知事「温度差かなりある」米軍の緩みに危機感


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 米軍キャンプ・ハンセンで新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が発生し、基地従業員や軍属らの新変異株オミクロン株感染が相次いで確認されていることを受け、米軍の感染対策の緩みに批判が上がっている。玉城デニー知事は20日の記者会見で感染防止に対する温度差が「かなりある」と指摘し、県側の「危機感」を強調した。

 米軍はワクチンを2回接種している関係者は、基地内で一定の条件下でマスクを外して行動を認めている。基地外でもマスクなしで出歩く米軍関係者の姿が見られた。

 クラスター発生を受け、米軍はハンセン内でのマスク着用を義務付けた。ただ、他の基地では引き続きマスクを外すことも認めているとみられる。

 全駐労沖縄地区本部はクラスター発生前から、現場の労働者から米軍内の感染対策の緩みが報告されており、マスク着用など対応を求めていた。

 県内では直近1カ月は感染者が毎日1桁に抑えられており、17日の初確認までオミクロン株も見つかっていなかった。20日に開かれた経済対策関係団体会議でも、米軍人・軍属の外出禁止を求める声が上がった。

 日本政府の姿勢も、ハンセンからの外出禁止を求める沖縄側の危機感とは温度差がある。19日に来県した松野博一官房長官は外出禁止などについて考えを問われたが「不安解消に向けて最大限の努力をする」と述べるにとどめ、直接的な対応について答えなかった。(明真南斗)