コザで「とがった」人が増えたワケ 島袋良太(中部報道グループ)


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written by 島袋良太(北部中部グループ)

 コザで「とがった人」が増えている。と言っても、「半グレ」の人たちとかではない。沖縄市の中心市街地に集う、若い起業家たちのことだ。「スタートアップラボ・ラグーン」周辺にいる。コワーキングスペースやシェアオフィスがあり、起業支援、プログラミング教室やイベントの開催など、さまざまなことを手掛けている。そこに集う人同士の化学反応が起き、新しいものが日々生まれているのが面白い。

 発電プラントのバルブ製造などを手掛ける岡野バルブ製造(福岡県)が、DX(デジタル・トランスフォーメーション)事業のオフィスを開設した。「製造業が弱いとされる沖縄になぜ?」と疑問が湧いたが、社長いわく「挑戦者が多い街だ。ハングリー精神のある人が多く、人材やスキルが集まっている」。

 クラウドファンディングを活用して高額な脱臭設備をそろえて開店にこぎ着けたコーヒーショップ、女性のITスキルアップで収入底上げを目指す東京のシステム開発企業の県内拠点開設もあった。いろいろアイデアが落ちていて、この辺を通るのが楽しい。

 沖縄市は全体として人口が増えているが、旧コザは中心市街地で子育て世代の流出が続き、高齢化が進む。定住人口の確保はまちの機能維持に不可欠だ。ビジネスの「誘因力」から、にぎわいが生まれてほしい。

(沖縄市担当)


ゆんたくあっちゃー 県内各地を駆け回る地方記者。取材を通して日々感じることや裏話などを紹介する。