在沖米軍の訓練移転費に年114億円 日米が思いやり予算合意 全体は1兆551億円


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 【東京】政府は21日、2022年度から5年間の在日米軍駐留経費の日本側負担(思いやり予算)について米政府と合意したと発表した。総額を1兆551億円と見積もり、16~20年度の歳出計9801億円と比べ750億円の増額となる。自衛隊と米軍の連携力を高めるため、新たに共同訓練に使う最新システムの調達費に充てる。県内などの訓練の負担軽減費用として年約114億円が盛り込まれた。訓練の移転先はグアムがこれまで活用されていたが、さらにアラスカを航空機訓練の移転先の対象とした。予算額は本年度と同水準という。

 また日本側が新たな特別協定に基づき労務費を負担する全労働者数は2万3178人。内訳は福利厚生施設の労働者が3893人、装備品の維持・整備や各種事務などに携わる労働者が1万9285人となる。防衛省によると、在沖米軍基地内の労働者は11月末現在で9042人という。

 在日米軍基地の光熱水費に関する日本側負担は大幅に削減される。2022年度と23年度は234億円を負担するが、24年度は151億円、25、26年度は133億円と、段階的に減額される。負担割合は約61%から約35%へ縮小される。米側が減額部分を負担する。

 日本側負担についてはこれまで「思いやり予算」と通称されていたが、「日米強靱(きょうじん)化経費」との名称にした。政府関係者は「最新鋭の装備を配備し、共同訓練に費やされる予算の性格を適正に反映していない」と理由を説明している。 (斎藤学)