国、サンゴ移植を再申請 大浦湾側の約3万5000群体、大半が軟弱地盤上


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 米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に伴う新基地建設を巡り、沖縄防衛局は21日、埋め立て予定区域の大浦湾側にある小型サンゴ約3万5千群体などの特別採捕(移植)を許可するよう県に申請した。防衛局は昨年6月に同様の範囲の移植を申請したが、県は今年1月、大浦湾側に軟弱地盤があって埋め立て工事の完成が見通せないことなどから移植を不許可にした。

 今回移植を申請したのは大浦湾側の小型サンゴ約3万5千体、ショウガサンゴ8群体、大型サンゴ21群体。大半が軟弱地盤上に生息している。

 1月に県がサンゴ移植を不許可とした際に、防衛局は7月の取り消し訴訟の期限までに大浦湾側の移植サンゴについては異議を申し立てなかったことから、県の不許可が確定していた。

 防衛局は8月の「環境監視等委員会」で、大浦湾側のサンゴ移植再申請と許可取得後の移植着手の方針を説明していた。今回の申請について防衛局担当者は「準備が整ったため」とするにとどめた。

 県水産課は今回の申請について「内容を精査して関係法令に基づいて適切・厳正に審査する」と説明した。県が示した標準処理期間は45日間で、来年2月25日が期限となる。ただ、申請内容への問い合わせ期間は除いており、実際の審査はより長くなる可能性もある。

 沖縄防衛局は今回移植を申請したサンゴとは別に、大浦湾側にあるサンゴ約3万8760群体について移植作業を進めている。

 (塚崎昇平)