琉大病院が膵臓移植施設に 沖縄で初の認定 手術から経過観察まで県内で


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
琉球大学病院

 日本医学会は11月9日付で、琉球大学病院を膵臓(すいぞう)移植施設に認定した。県内では初めての認定となる。国内では19施設目。脳死した人から提供を受けた膵臓を移植できるようになる。

 対象は1型糖尿病の患者や、膵臓全摘出をした患者。年間で数例ほど実施される見込み。これにより、移植手術から術後の経過観察などを一環して県内で受けられるようになる。

 1型糖尿病は主に自己免疫のため膵臓のβ細胞が壊れ、インスリンが分泌されなくなる病気で、幼少期に発症することが多い。生涯にわたって注射などでインスリンを補充し続ける以外に治療法がない。

 まれにブリットルタイプ(不安定型)と呼ばれる高血糖と低血糖が繰り返し起こる不安定なケースも存在し、治療によるコントロールが難しい場合もある。移植はこうした患者に対する根治治療となる。移植により血糖値が安定することで、各種糖尿病合併症の改善や、進行を阻止することができる。
 (嶋岡すみれ)