首里城正殿の扁額、焼失前の赤から黄色へ 沖縄県検討委が確認


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首里城の扁額

 2019年の首里城火災で焼失したため県が新たに製作する正殿の扁額(へんがく)について、県の扁額製作検討委員会は21日に那覇市内で第2回会合を開き、新たに見つかった史料に基づき、木板の基調を焼失前の赤から黄色に変更する方針を確認した。漆に金箔(きんぱく)を塗って表現していた額縁の龍模様は、彫刻で表現することも確認した。

 県の担当者は22年度から扁額の試作に着手するとし「色味や彫刻デザインなどの詳細は試作を踏まえて最終決定する」と述べた。

 扁額を巡っては、平成の復元時は具体的な仕様が分かる史料がなかったため「琉球王国評定所文書」や他の琉球扁額を参考にして製作していた。今年に入り同委員会は那覇市歴史博物館が保管していた史料「尚家文書」を確認。同史料には中国の皇帝が琉球王府に贈った「同文式化」を、琉球王国が扁額に仕立てる過程が記されており、木板の基調が黄色だったことなども含まれていた。

(当銘千絵)