沖縄振興「一括交付金」過去最低762億円 狭まる「県の裁量」 来年度予算


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 【東京】政府が24日の閣議で決定した2022年度の沖縄関係予算は、県が求めていた3千億円台維持はかなわず、前年度比326億円の大幅減となる2684億円となった。県が使途を決められる沖縄振興一括交付金は同219億円減の762億円。14年度をピークに減額が続く一括交付金は12年度の制度創設以来、過去最低の額となった。

 一括交付金は14年度の1759億円をピークに減少が続き、21年度当初予算で制度創設以来初めて1千億円を割り込む981億円を計上した。22年度概算も同額を求めたが大幅減となった。

 内閣府が22年度からの沖縄振興の「基本方向」に明記した「領海や排他的経済水域の保全」のための離島振興として、「沖縄離島活性化推進事業」が前年度比10億円増の25億円となった。本島北部に向けた「北部振興事業」は同10億円増の45億円とした。

 子どもの貧困解消のための「子どもの貧困緊急対策事業」は前年度比1億円増の16億円。「産業競争力強化」や「人材育成」を推進する新規事業に新たに13億円を計上した。政府が毎年度3千億円台を確保すると約束したのは21年度までで、維持を求める沖縄県側の要望は受け入れられなかった。

 (安里洋輔)