【記者解説】石垣市長選の保革合同 急転直下の砥板氏擁立


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 来年2月の石垣市長選で、保守系市議の砥板芳行氏(52)が打倒現市政を掲げる保革合同の立場から立候補を表明した。だが市平得大俣への陸上自衛隊配備計画を容認してきた砥板氏の出馬に、内部の足並みはそろっているとは言い難い。

 市長選では、野党の支持層だけでは現職の票を上回ることが困難な状況だ。そのため野党側は市政刷新を望む保守層と協議し、これまで保守系の元県議らを候補者に擁立することを検討してきた。一方、陸自配備に反対する市民団体は、計画の賛否を問う住民投票の実施を公約とする候補者の擁立を模索していた。

 12月に入り各者は協議を重ね、保革合同で保守系の元市議会議長の擁立で一本化。市民団体が求める住民投票の実施も公約に盛り込むこととなり、22日には出馬要請もした。しかし元議長が要請を断り、自衛隊容認色が強いものの現在は、市役所新庁舎建設を巡り中山市長と距離を置く砥板氏に白羽の矢が立った。

 この急転直下の砥板氏の擁立に一部野党議員が「すぐには結論を出せない」と態度を保留。「もしかしたら合流できないかもしれない」との声も漏れる。見切り発車感も否めない保革合同の今後の動きが注視される。
 (西銘研志郎)