沖縄の県民所得は291万円と設定 新振計で県振興審議会が展望値


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沖縄の街並み

 県振興審議会(会長・西田睦琉球大学長)は27日、那覇市内のホテルで会合を開き、2022年度から10年間の新たな沖縄振興計画(次期振計)素案の答申案を議論した。答申案で、計画を終える31年度までに達成可能性がある九つの展望値が初めて示された。1人当たり県民所得は全国最下位を脱出する水準の291万円(20年度実績214万)、県全体の人口は微増の148万6千人(20年実績146万7千人)と設定した。

 新たに展望値として設けた離島人口は12万6千人(同12万5千人)、総需要をどれだけ県内総生産で賄えたかを指す域内自給率は73・4%(同71・5%)、温室効果ガス排出量は34%削減とした。そのほか、労働力人口が78万人(20年度実績75万2千人)、就業者数が76万1千人(同72万5千人)、完全失業率が2・5%(同3・6%)と設定した。

 次期振計は「環境」「社会」「経済」が調和した「安全・安心で幸福が実感できる島」の形成を目指す。会合に出席した沖縄経済同友会の渕辺美紀代表幹事は「1人当たり県民所得の展望値は過去の伸び率を見ていると、実現するには本当にいろいろ施策が必要だ」と、ハードルは高いとの認識を示した。審議会は来年1月中旬に玉城デニー知事へ答申する。次期振計案は新法の制定の推移も踏まえつつ来年3月に決定する。 (梅田正覚)