辺野古抗告、沖縄県が上告 承認撤回取り消し巡り


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 名護市辺野古の新基地建設を巡り、県による埋め立て承認撤回を取り消した国土交通相の裁決は違法だとして、県が裁決取り消しを求めた抗告訴訟について、県は28日、福岡高裁那覇支部の判決を不服として最高裁に上告した。来年1月4日が上告期限だった。県は地方自治の保障の観点から判決の不当さを訴えてきた立場として、一貫した訴訟方針を取る必要があると判断したとみられる。

 15日に示された高裁判決は、国交相の裁決が適法かどうかの判断をしなかった一審判決を支持し、県の控訴を棄却した。敗訴を受け、玉城デニー知事は「地方の自主性を切り捨てたようなものだ」と批判していた。

 県は11月に、埋め立て予定海域に広がる軟弱地盤の改良工事を追加する沖縄防衛局の設計変更を不承認としており、その対応を巡っても新たな裁判に発展する可能性がある。

 今回の埋め立て承認撤回を巡る訴訟で、最高裁で逆転勝訴すれば翁長雄志前知事時代に決定した撤回の効力が復活し、沖縄防衛局は埋め立て工事を継続できなくなる。一方で、最高裁で敗訴が確定すると、設計変更不承認を巡る今後の国との裁判闘争で、県が取り得る手段が限られる恐れもある。

 県は28日、福岡高裁那覇支部に上告受理申立書を提出した。県は50日以内に理由書を提出する必要があり、詳細な上告理由については「理由書提出時に改めてお知らせする」とした。 (明真南斗)