那覇地検、宮城さんを威力業務妨害で在宅起訴 米軍廃棄物、ゲート前に


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回収した米軍廃棄物にメッセージを貼りハンストをする宮城秋乃さん=21年3月、東村高江の米軍北部訓練場ゲート前

 那覇地検は28日、米軍北部訓練場返還地で発見した空き瓶などの廃棄物を訓練場ゲート前に置いて車の通行を妨げ、訓練場関係者の業務を妨害するなどしたとして、東村のチョウ類研究者の宮城秋乃さん(43)を威力業務妨害と道交法違反の罪で在宅起訴した。地検は認否を明らかにしていない。

 東村と国頭村の米軍北部訓練場返還地には、米軍のものとみられる軍需品の廃棄物や銃弾などが多く残されている。宮城さんはチョウ類研究の傍ら、廃棄物問題を調査し、返還地の原状回復などを訴えてきた。起訴を受け「裁判などで米軍基地返還地の現状を明らかにしていきたい」と述べた。

 宮城さんの弁護人の金高望弁護士は威力業務妨害罪について、ゲート前に廃棄物を置いたことは認めた上で「威力業務妨害にあたるとは考えない。不当な起訴で表現の自由に対する重大な侵害だ」と述べた。

 県警が今年、威力業務妨害と道交法違反、廃棄物処理法違反などの疑いで書類送検していた。廃棄物処理法違反容疑について、地検は28日付で不起訴処分とした。

 地検の中村功一次席検事は「検察としては、法と証拠に基づいて判断した」とコメントした。

 起訴状によると、今年3~11月に訓練場ゲート前の県道で、交通の妨害となるような方法で立ち止まったほか、4月7日に東村の米軍北部訓練場メインゲート前に空き瓶やガラス片などを散乱させて、北部訓練場関係者の業務を妨害したとしている。