全国高校ラグビー 読谷が初戦敗退、鮮やか先制、後半に試練


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
昌平―読谷 前半、トライを決め、喜ぶ読谷の選手たち=28日、東大阪市花園ラグビー場

 ラグビーの全国高校大会第2日は28日、大阪府東大阪市の花園ラグビー場で1回戦11試合が行われ、沖縄代表で初出場の読谷は2年連続3度目出場の昌平(埼玉)に7―15で敗れ、初戦突破はならなかった。読谷は前半9分、敵陣で何度も攻め入り、ゴール手前で桴海(ふかい)ジョシュア泰(たい)が密集をかいくぐり先制トライを奪った。前半残り1分で同点に追い付かれる。後半はミスが重なり得点が遠く、一瞬の隙を突かれてトライを許すなどして逆転負けを喫した。そのほか松山聖陵(愛媛)が15度の優勝を誇る秋田工を19―12で破り、2回戦に進出した。青森山田は朝明(三重)を38―17で下し、高鍋(宮崎)は磐城(福島)に45―0で快勝した。札幌山の手(南北海道)や尾道(広島)なども2回戦に駒を進めた。初出場の専大玉名(熊本)も勝利。30日は2回戦が行われ、3連覇を狙う桐蔭学園(神奈川)や選抜大会を制した東福岡などシード校が登場する。

 花園での初トライは、敵陣深くで約20回にも及ぶフェーズを粘り強く重ねて奪ったものだった。読谷は課題だった試合への入りの悪さを克服。リズム良く攻勢を仕掛け、フィジカルでも負けずに貴重な先制点につなげた。しかしその後が続かなかった。ミスも重なって逆転を許す。目標の「2勝で元旦越え」を果たせず悔しい結果に終わったが、島袋法匡(のりただ)監督は「選手を誇りに思う」と健闘をたたえた。

 前半8分すぎ、敵陣ゴール前中央の攻防。こぼれ球をつかんでわずかにゲインし拠点をつくるプロップ桴海ジョシュア泰。さらにFW陣で押し込む。すぐさま立ち上がった桴海はラックの後方でボールをつかむと、そのまま体ごとねじ込みトライを決めた。

 昌平のFWの強さは警戒していたが、桴海は「いけるかも」と直感したという。強化してきたフィジカルを信じ、作戦通りにFW勝負に集中した。何度もつぶれ役になりながらも、巡ってきた好機を逃さなかった。

 中学からラグビーを始め、きつくてやめようと思った時もあったが、同級生や先輩の励ましもあって続けて来られた。「自慢のチーム」と言う仲間たちへの感謝のトライだった。初勝利には届かなかったが、先制から互角に渡り合っての惜敗。十分に戦える姿を見せることができた桴海ら3年生は花園初勝利を後輩たちに託した。(謝花史哲)