沖縄戦の戦没者と風葬遺骨が混在 ガマフヤー具志堅さん「年代測定が必要だ」


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遺骨をガマに戻す具志堅隆松さん(左)ら。この日も新たな遺骨が見つかった=29日、糸満市伊敷

 沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」の具志堅隆松代表が、糸満市伊敷のガマで収集した遺骨の年代測定を厚生労働省に依頼したところ、戦没者の遺骨と沖縄戦以前の遺骨がどちらも含まれていたことが分かった。具志堅さんは、ほかの場所でも戦没者と風葬の遺骨が混在している可能性を指摘し、県や国に対して「収集された遺骨の年代測定が必要だ」と問題提起している。

 多くの人の遺骨が混ざり、戦没者の遺骨のみを収集することが難しいため、29日にひとまず全ての遺骨をガマに戻した。

 具志堅さんは「年代測定によって戦没者の遺骨のみを判別して収集できる場合もある。技術的な課題もあるが、みんなでこの問題について考えていきたい」と話した。

 伊敷のガマでは子どもから大人まで少なくとも17人の遺骨が砕けて混ざっている状態で見つかった。日本兵のものとみられるベルトのバックルや万年筆も見つかった。一方で墓として使われていた可能性もあったため、収集した二つの歯の年代測定を厚労省に依頼した。沖縄戦戦没者の遺骨と沖縄戦以前の骨との結果が10月に伝えられたという。

 研究者によって戦前、沖縄から持ち出された遺骨の返還を求める「ニライ・カナイぬ会」の松島泰勝龍谷大教授らも同行し、霊をとむらった。
 (伊佐尚記)