<墓碑銘2021その2>亡くなった方々の足跡(政治、経済、教育)野島武盛さん、島袋周仁さん、山口栄鉄さん…


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 戦後復興から地方自治、県経済の発展、教育や医療で尽力した各界の功労者らもこの1年で亡くなった。(年齢は享年、死亡年月、役職は死去当時、敬称略)

 【政治】

 平良幸市知事時代に副知事を務めた野島武盛(97歳、1月1日)は農林水産部長を経て、76年から副知事。78年には病気で倒れた知事の代行を務め、自動車通行が右側から左側に変わった「730(ナナサンマル)」を乗り切った。

 石川秀雄(87歳、7月20日)は総務部長、企業局長を歴任し、稲嶺恵一県政時代に副知事を務めた。退任後は那覇空港ビルディング社長や会長、沖縄女子短期大学を運営する嘉数女子学園理事長などを務めた。

 県平和祈念財団会長の新垣雄久(91歳、7月21日)は西銘順治知事時代に副知事を務め、沖縄振興や教育、社会福祉など多方面で尽力した。退任後は、沖縄振興開発金融公庫副理事長、沖縄印度友好協会会長など、各分野で要職を担った。

 元県議の上原賢一(74歳、3月9日)、元宜野座村長の与儀実清(106歳、3月26日)、元読谷村長の古堅宗光(94歳、3月31日)、元県議の當山弘(75歳、4月6日)、元与那原町長の山内俊光(89歳、5月10日)、元県議で石垣市議の砂川利勝(57歳、7月4日)、元糸満市長の上原博(79歳、7月27日)、元浦添市長・県議の宮城健一(88歳、9月3日)、元読谷村長の知花成昇(102歳、10月11日)も亡くなった。

 【経済】

 県内大手の泡盛メーカー、久米島の久米仙代表取締役会長の島袋周仁(81歳、2月21日)は県工業連合会会長、県酒造協同組合理事長など産業界の要職を歴任し、沖縄の製造業振興や離島の活性化に貢献した。

 カヌチャベイリゾート会長の白石武治(86歳、2月26日)は父から建設資材会社の白石商会を引き継ぎ、リゾートホテルや石油販売、レンタカーなど多角的な事業を展開し、白石グループを発展させた。

 飲食料品卸売の県内最大手「ジーマ」会長の儀間紀善(87歳、3月15日)は83年の県卸商業団地協同組合設立に携わり、初代理事長として06年まで務め、流通の発展に寄与した。那覇市社会福祉協議会会長も務めた。

 沖縄海邦銀行頭取や沖縄都市モノレール社長などを務めた湖城英知(87歳、9月3日)は銀行マンの傍ら観光客への「めんそーれ」一声運動、かりゆしウエア普及にも尽力した。

 沖善社会長の仲西弘一(74歳、1月23日)、豊見城市ウージ染め協同組合理事長の真境名照子(70歳、2月24日)、新垣産業会長の新垣誠福(85歳、2月24日)、三和交通会長の又吉スミ子(84歳、3月12日)、前沖縄トヨタ自動車社長の上地弘展(81歳、4月19日)、第一パン創業者の新垣清光(88歳、5月14日)、求人おきなわ創業者・代表取締役会長の仲田護(66歳、5月23日)、沖縄製粉元会長の久場盛安(95歳、6月21日)、JA沖縄中央会元会長の新崎弘光(73歳、9月10日)も死去した。

 【医療・教育】

 国際琉球学研究者の山口栄鉄(82歳、3月10日)は、1816年に琉球を訪れて世界に紹介した英海軍士官バジル・ホールらを含め、琉球・沖縄を訪れた欧米人たちが記録した文献史料を翻訳し、研究に取り組んだ。

 医療法人信和会沖縄第一病院理事長、元県医師会会長の宮城信雄(74歳、7月12日)は全国医師国民健康保険組合連合会長、公益財団法人県医科学研究財団の理事長も務めた。

 吹奏楽指導者として県内の音楽教育界をけん引した、県吹奏楽連盟顧問の久髙友之(81歳、8月15日)は那覇、首里、小禄の各中学校で九州代表として計8回全国大会に出場し、79、86年に全国金賞を受賞した。県吹奏楽連盟理事長(90~02年)や宮良長包音楽賞の選考委員を長く務めた。

 医療法人野毛会理事長の上田裕一(79歳、2月13日)、元県教育長の前田功(95歳、5月17日)、医療法人琉心会理事長の島袋茂照(75歳、5月25日)、元県立図書館館長の島元巖(88歳、4月28日)も永眠した。
 (仲村良太、知念征尚)