「ボランティアは一人でもできるけれど、人と人とがつながれば、もっと大きなことができる」。沖縄大学福祉文化学科3年の石井杏佳(きょうか)さん(23)は11月末、ボランティア活動をしている学生をサポートする「ぼらサポ」を学内に設立した。個人の活動に「横のつながり」をつくりながら、「ボランティアのコーディネート」をするのが目的。ボランティアを必要としている個人や地域と、何かの役に立ちたいと考える意欲的な学生をつなげるパイプ役を石井さんが担う。
石井さんや大学教職員によると、新型コロナウイルス感染拡大後、ボランティアに取り組む学生の数が大幅に減少したという。大学の休校や遠隔授業の増加で学生同士の関わりが減り、つながりが以前に比べて希薄になったことが原因の一つと石井さんはみている。「友人同士の会話や大学で得ていた情報が減り、何かしたいけど何をしていいか分からないという学生が多い」と感じている。
一方で石井さんは、那覇市社会福祉協議会での実習で地域の自治会長や民生委員らと話す機会があり「若い人たちがもっと地域の活動に参加してくれれば」と、若者との交流を求めていることを知った。
「ならば」と思いつき、ボランティアを求めている側と、意欲的な学生をつなげるサポート体制の構築を目指した。
石井さんは現在、「ぼらサポ」の公式LINEを通してボランティア情報を紹介している。「学生同士をつないでコミュニティーをつくることで、海岸清掃などの大きなボランティアもできるようになるかもしれない」。登録者数は2週間で30人以上増え、学生たちの活発な活動に期待が高まる。
(嘉数陽)