牛の爪をきれいに 削蹄師が技術交流会 コロナ禍で2年ぶり開催 南城市


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削蹄の技術を学ぶ獣医師ら=23日、南城市佐敷

 【南城】県牛削蹄師(ぎゅうさくていし)会中南部支部の交流会が23日、南城市佐敷の牛舎で開かれた。コロナ禍の影響で、約2年ぶりとなった会には、削蹄師や獣医師ら約30人が参加し、技術指導や情報交換などをした。同日は、約35年前に県削蹄師会の立ち上げに貢献した仲村将俊さん(72)=宜野湾市=の表彰式もあった。

 削蹄交流会は、牛削蹄師不足の県内で、普及や技術向上を目的に、コロナ禍前は毎年2、3回実施されていた。県牛削蹄師会の久高唯志(ただし)会長は「削蹄現場では、削蹄師同士の交流がないため、勉強不足になることも多い。学び合いの場となる交流会は貴重な機会になる」と語り、開催を喜んだ。実施を強く望む声が関係者からあったという。

 この日は、牛削蹄師会設立で表彰された削蹄師の仲村さんも立ち会った。仲村さんによると、35年前は県内には馬の蹄(ひづめ)に蹄鉄(ていてつ)を打ち込む「装蹄師(そうていし)」の会はあったものの、牛削蹄師はいなかった。家畜商などから「沖縄の牛は爪が悪いとのクレームが多々あった」と振り返る。

 農業共済を中心に経済連などの協力を得て、立ち上げに至った。「農業発展のためにも、どうしても必要だった。ここまで続いていて大変うれしい」と話した。

 久高会長は「県内はまだまだ削蹄師が足りない、若手を育てていきたいという思いがある。今度も状況を見ながら、交流会を積極的に開きたい」と力を込めた。

 (新垣若菜)