【図でわかる】もし、沖縄が100人の村だったら?人口増減の推移


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 沖縄が100人の村だったら…。沖縄には現在、146万7480人(2020年国勢調査確定値)が住んでいる。人口構成を100人の村として単純換算したら、0~14歳の子どもは16人、15~64歳の大人は61人、65歳以上の高齢者は23人となる。3人の大人が1人の高齢者を支える構図となる。高齢者のうち11人が75歳以上で、村の人口の1割を占める。

 50年前の1970年の沖縄はどうか。子どもは35人、大人は59人、高齢者は6人だった。高齢者のうち75歳以上は3人だけだった。大人10人で高齢者1人を支えていた計算になる。この25年前にあった沖縄戦で約12万人の県出身者が犠牲となったことが影響し、大人と高齢の男性の割合が極端に少なかった。

 そしてこれからの未来はどうなるのか。国立社会保障・人口問題研究所の推計値では、2030年代に沖縄は人口減少社会に突入する。20年後の40年は子どもが15人、大人は55人、高齢者は30人という予測だ。75歳以上の高齢者は17人に増える。大人2人で高齢者1人を支える村になっている。  (梅田正覚) 

■復帰50年の沖縄 社会保障、現役の負担増に

 復帰の1972年に95万9615人だった沖縄県の総人口は、2020年に146万7480人(国勢調査確定値)まで増加している。  復帰時から50年間にわたって続いてきた沖縄振興(開発)特別措置法の期限が21年度で切れることに伴い、新たな沖縄振興に向けた法整備や沖縄振興計画(次期振計)の策定が本格化している。次期振計素案では沖縄は全国でも数少ない人口増加県と優位性を強調している。

 だが、人口分布を地域ごとに詳しく見ていくと、沖縄本島でも都市機能が発展してきた中南部に人口が集中するのに対し、北部では過疎化するという両極化がある。さらに、小規模離島では極端な高齢化など大きな課題が横たわっている。

 沖縄は全国で唯一、死亡数よりも出生数が多い「自然増」と、転出よりも転入が多い「社会増」を記録している。だが国立社会保障・人口問題研究所の推計では沖縄の総人口は2025年ごろをピークに、30年代には人口減少社会に突入する見込みとなっている。 人口ピラミッドでは、18年に人口に占める65歳以上の高齢化率が21%を超え、沖縄も「超高齢社会」に突入した。30年ごろには4人に1人が高齢者となり、社会保障の現役世代の負担が増していく。

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 沖縄は2022年5月、日本復帰から50年の節目を迎える。本土との経済格差が大きかった復帰当時は若者の流出などで人口の減少が起きると不安視する声もあったが、日本全体の人口が減少する中でも、沖縄県は現在まで一貫して人口増加を続けてきた。一方で少子高齢化や小規模離島の過疎化が進み、次の10年には沖縄全体でも人口減少に転じる予測も示されている。人口動態や将来推計値などのデータを用いて、復帰から50年を経た沖縄の姿を紹介する。