【玉城知事一問一答】米軍のコロナ対応「非常に遅い」


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米軍の感染症対策に対して強い憤りを表明する玉城デニー知事=2日、県庁(代表撮影)

 米軍基地内で新型コロナウイルスの多数の感染者が連日報告されていることや、人の動きが活発になる年始の感染対策徹底を改めて県民に呼び掛けるため、玉城デニー知事は2日に緊急の会見を開いた。玉城知事は、米軍の移動によって持ち込まれたオミクロン株が基地の外にも広がりを見せているとの認識を示し、「米国の状況を日本に持ち込むな」と厳しい口調で米軍の対応を非難した。基地内の詳しい感染状況が分からず防疫対策に支障を来すなど、日米地位協定が壁となっていることを訴えた。

 ―米軍の対応についてどう受け止めているか。

 「非常に展開が遅いと言わざるを得ない。12月31日時点で、入国後24時間以内の検査を実施するとなったが、本来ならもっと早く(県は)要請をしているので、その段階で基地の外、中での感染防止対策の徹底は図られるべきだった」

 ―(県外の基地所在)自治体との連携は。

 「さらに必要であれば全国知事会や渉外知事会にも働きかけていきたい。とにかく米国の状況を日本に持ち込むな、沖縄に持ち込むなと、改めて申し上げなければならない。多くの国民、兵士、その家族、同盟国の国民の生命、財産を守るという観点からも、徹底して感染防止対策を行っていただきたい」

 ―県内の感染拡大は米軍基地内の感染拡大がきっかけだという認識か。

 「米軍からの染み出しが、やはりオミクロン株などの感染拡大の大きな要因になっていることは間違いないと思う。直接彼らと接した基地従業員の方に、感染が広がってしまったことは、基地の中で、感染防止対策が徹底されてないということの証左だと思う」

 ―日本政府の責任も問われるのではないか。

 「国民を守るために、日本政府はどのような対応を米側に求めなければならないのか。その対応についての欠陥も、認めざるを得ないのではないかと思う。そもそも根本的に地位協定が壁になっているということを考えると、その壁は取り払うか、大幅に修正しなければいけない。現状の構造的な欠陥を表していると強く言わざるを得ない」