女性の社内取締役ゼロの業種も 役職上位は男性が大多数<女性就労状況アンケート>


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 県内主要企業に聞いた女性の就労状況に関するアンケートを業種別に見ると、従業員および正社員の男女構成比に関わらず、管理職以上の役職を圧倒的に男性が多数を占めている。取締役の中に女性はいるものの、社内からの起用はゼロの業種もあった。

 全従業員のうち女性の占める割合が最も高かったのは「医療」の68.6%で、「小売り」68.2%、「金融.保険など」50.4%と続いた。正社員に占める女性の割合が最も高いのは「その他」の80.1%、「医療」65.7%、「金融.保険など」41.3%となった。「建設」は従業員、正社員ともに女性比率が最も低く、それぞれ9.9%、12.7%だった。

 管理職に占める女性の割合は「医療」の40.7%がトップとなった。しかし、従業員、正社員はいずれも30%台だった男性比率が、管理職では女性を逆転して過半数を占める状況となっている。「医療」を除いた残る業種は全て女性管理職の割合が30%を下回った。最も低かったのは「建設」の4.1%だった。

 取締役に就く女性の割合は全9業種で20%に届かない水準となり、女性にとって経営への参画が狭き門であることが明らかになっている。取締役に占める女性の割合が最も高かった業種は「卸売」の14.5%で、最低は「医療」の3.0%だった。社内取締役はほとんどの業種で取締役とほぼ同水準となっているが、「金融.保険など」はゼロだった。

 職業でも性別に基づく無意識の思い込みや偏った考え(アンコンシャスバイアス)が課題となる中、女性の雇用や登用の在り方についてもより一層の議論が求められそうだ。(小波津智也)