首里女子、力出し切れず ミス重ね連続得点許す 春高バレー


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 バレーボールの第74回全日本高校選手権は5日、東京体育館で開幕して1回戦が行われ、女子は2大会ぶりの優勝を狙う東九州龍谷(大分)が2―0で富士見(静岡)にストレート勝ちした。全国高校総体ベスト4の都城商(宮崎)は2―1で安来(島根)を下した。男子では2019年大会優勝の東山(京都)が1―2で習志野(千葉)に敗れた。24大会ぶり出場の東海大菅生(東京)、日本航空(山梨)などが2回戦に進んだ。沖縄代表は男子の美里工が石川工に0―2、女子の首里は米沢中央(山形)に0―2でいずれもストレートで敗れ、2回戦進出はならなかった。大会は男女各52校が参加し、準々決勝までは3セット制、準決勝と決勝は5セット制で行う。新型コロナウイルスの影響で、昨年に続き無観客開催。

首里―米沢中央 第2セット、スパイクを決め笑顔で集まる首里のメンバー=5日、東京体育館(高辻浩之撮影)

首里女子 力出し切れず悔し涙

 2年ぶり3度目の挑戦となった首里は、大舞台のオレンジコートで力を出し切れず今回も涙をのんだ。緊張やプレッシャーからか普段にはないミスを連発し、序盤から相手に連続得点を許した。第2セットはエースの奥山日菜子が意地をみせ勢いを取り戻したが、「日頃の戦い方ができなかった」(東風平和成監督)と悔しさをにじませた。

 第1セット序盤から相手ブロックの高さに圧倒され、ミスを重ねた。第2セットは双方のエースによる打ち合いでマッチアップを展開。奥山の対角ポジションに入る妹の日芽子もブロックを利用したスパイクを決めて躍動した。

 だが、中盤でサーブミスを連発、日菜子のバックアタックも決まらず、コートをうまく使う相手が得点を重ねた。東風平監督は敗因に「ワンタッチも取れず、サーブも崩せずに、それを狙おうとして逆にミスをして、悪循環で自滅した形になった。この空間に慣れていない部分もあった」と経験不足を挙げた。

 主将として、チームの今後の課題について日菜子は、メンタル面の強化を挙げ「それぞれが頼られているという自覚と責任をもってプレーをしていくことだ」と強調。「大舞台でプレーすることは難しいが、急に『プレーしろ』と言われてもできるように心の準備しておくように伝えたい」と後輩に思いを託した。
 (問山栄恵)

有終の美飾れずも前向く 首里けん引、双子の奥山姉妹

 1年生でベンチ入りし、オレンジコートを経験し強い首里を築いてきた双子の奥山日菜子、日芽子姉妹。卒業後は同じ千葉県の大学に進学し、共にプレーを続ける。高校最後の大会で敗れ、悔しさをにじませながらも「経験を生かしていきたい」「大きな舞台でプレーができたことを誇りに、今後のバレー人生につなげていきたい」とそれぞれ前を向く。

 高校最後の試合は「悔いが残る部分もある。プレッシャーに負けていたところが(敗れた)一番の原因だと思う」と日菜子。日芽子は「素直に『いい試合ができた』とは言えないところが悔しい」と声を落とす。それでも、充実した高校での競技生活と声をそろえる。共に「監督やコーチに恵まれ、大好きなバレーができた」と感謝した。
 (問山栄恵)


▽女子1回戦

米沢中央(山形)
2―0(25―13,25―19)
首里(沖縄)