復帰直前の沖縄〈50年前きょうの1面〉明朝、返還期日に決着/沖縄核グアムへ移転―琉球新報アーカイブから―


この記事を書いた人 Avatar photo 滝本 匠

 1972年5月15日に沖縄が日本に復帰してから今年で50年。27年間のアメリカ施政権下から脱して「祖国」の日本に戻るカウントダウンが進む中、本土との格差是正、自衛隊配備や米軍基地の取り扱い、ドル―円の通貨切り替え問題、初の知事選など、大きな歴史のうねりに翻弄される島の住民は山積する課題に直面する、そんな時代だった。復帰した後の沖縄の発展を展望しつつも、さまざまな制度変更にさらされる行政と政治。琉球新報の紙面もその歴史の一日一日を刻んでいった。
 

 

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 復帰の年となる1972年の1月7日の琉球新報1面トップは、連日報じられているとおり日米首脳会談の話題で「明朝、返還期日に決着/きょうから日米会談/日本 核抜き保証を期待/米側 自由化の拡大要求」との見出しで伝えている。

 トップそばには、日米首脳会談と同時開催の日米経済関係閣僚個別会談に関連して、沖縄の通貨問題について「ドルと円の交換を/沖縄の通貨/蔵相、米側に正式要請」と報じている。さらに関連して「『通貨』で国内措置/屋良主席が帰任/本土政府が検討へ」と東京要請から戻って会見した屋良朝苗主席の様子を紹介している。

 さらに共同電として「沖縄の核兵器/グアム島に移転/米国防総省/六月中には撤去へ」と、在沖米軍の核兵器配備状況の見通しを掲載している。

 復帰後の県知事選に向けた自民党の動向として「稲嶺(一郎参院議員)氏の擁立を/自民・沖縄選出議員/次期県知事選で協議」との見出しで伝えている。

 

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 琉球新報デジタルは復帰50年となる2022年1月から、1972年5月15日の日本復帰に向かう沖縄の様子を日々伝える当時の琉球新報紙面を、琉球新報アーカイブから転載して紹介していきます。