沖縄の成人式 新たに3町村が中止、5市町が延期 新成人「感染状況考えると仕方がない」


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 新型コロナウイルスの急激な感染拡大を受けて、八重瀬町、久米島町、座間味村の3町村は6日、9日に予定していた成人式の中止を決めた。一方、うるま市、浦添市、宜野湾市、糸満市、北谷町の5市町は延期を決めた。新規感染者が爆発的に増える中、開催の可否について協議中の市町村も多く、今後の状況次第では成人式の中止、延期を判断する市町村が増える可能性がある。こうした市町村の対応に新成人や着付けなどを行う事業者からは困惑の声が上がっている。

 6日時点で中止を決めた自治体は8市町村。5日に開催中止を発表した浦添市は方針を転換し8月11日に開催することを決定した。宜野湾市は年度明けを予定。うるま市、糸満市、北谷町の開催日は未定で、決まり次第、ホームページなどで公表する。一方、沖縄市、西原町、嘉手納町、中城村、北中城村の5市町村は予定通り9日に開催することを正式決定した。

 中止を決めた八重瀬町は式典会場の東風平運動公園体育館を9日午後1~3時、新成人や保護者らの写真撮影用に開放する。同じく中止を決めた座間味村は後日、新成人に記念品を贈る予定。

 延期が決まった浦添市の新成人の伊礼美咲さん(20)は「延期は残念だが、感染者数を考えると仕方ないのかなと思う。9日は式典はないが、振り袖を着て家族や友人と写真を撮りたい」と語った。

 浦添市では新成人だけではなく、貸衣装店など業者も対応に追われた。振り袖のレンタルを手掛けるスタジオチャーリー浦添本店=市前田=には、保護者らからの電話がひっきりなしに鳴った。同店は式典に向け、90%ほど準備を済ませていた。だが、5日に中止の報が流れると、店だけでなく、保護者や新成人も混乱していたという。8月への延期が6日に決まり、ひとまず安堵(あんど)の声が聞かれた。

 同店は予約済みの振り袖を8月に貸し付けられるよう対応する。追加料金はない。担当者は「中止はかわいそうだと思っていた。(衣装の)管理は大変だけど、8月までがんばりたい」と声を振り絞った。
 (吉田健一まとめ)