カスリハタは和歌山県以南のサンゴ礁域に生息するが、沖縄では釣り上げた実績が非常に少ない。体色は灰色で大きな黒斑があり、かすり模様に似ていることが名前の由来だ。
3年ほど前から釣りを始めた神奈川県在住の齊木雄さんは、大物を求め沖縄に通う“大物釣師”。年明け3日も沖縄の釣り仲間3人と奥漁港の「海姫」で初釣りに出掛けた。朝に5キロぐらいのカンパチが釣れた後は、アタリのないまま午後3時になった。水深120メートルのポイントを流していると、齊木さんにアーラミーバイらしきアタリがあったが針掛かりしなかった。
そこで船をアタリがあったポイントに戻し、ここ一番の勝負時に使おうといけすに残しておいた50センチのツムブリを餌に仕掛けを落とした。海底から3メートル巻き上げたところで待っていると、いきなり竿(ざお)が引き込まれた。きつめにドラグを閉めたリールから5メートルほどラインが引き出されたが、糸が出るのをスプールを手で押さえて止めると、強引にリールを巻いた。
5分ほどで海面に浮いたのは130センチ、36キロのカスリハタ。釣った本人以上に喜んだのは海姫の仲村船長。めったに釣れない魚種なので、美ら海水族館に連絡し、引き取ってもらった。飼育に成功したら、近い将来、一般に公開されることになるかもしれない。海姫(電話)090(9784)0775。
(おきなわ釣王国社・仲栄真修)