1972年5月15日に沖縄が日本に復帰してから今年で50年。27年間のアメリカ施政権下から脱して「祖国」の日本に戻るカウントダウンが進む中、本土との格差是正、自衛隊配備や米軍基地の取り扱い、ドル―円の通貨切り替え問題、初の知事選など、大きな歴史のうねりに翻弄される島の住民は山積する課題に直面する、そんな時代だった。復帰した後の沖縄の発展を展望しつつも、さまざまな制度変更にさらされる行政と政治。琉球新報の紙面もその歴史の一日一日を刻んでいった。
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復帰の年となる1972年の1月8日の琉球新報1面トップは、「“沖縄に『核』残さぬ”/返還時にロジャーズ書簡で保証/すでに移送を開始/大部分は米本土へ撤去」との見出しで沖縄返還に伴う核兵器撤去保証を報じた。
続いて「きょう返還日確定」との見出しで、4月1日返還要求を建前に置きながら早期返還を求める日本政府に対して米側は「原則的には七月一日の会計年度初めを主張していたが、必ずしもこれにこだわらず早期返還を望む沖縄県民の希望にも理解を示す態度をとった」と記している。
米国時間7日の日米首脳会談を受けて、8日付夕刊では1面トップで「返還 5月15日に決まる」と返還期日が決まったことを伝えた。
二番手の記事では、新年度予算案の復活折衝について「きょう第二次内示/復活要求 大臣折衝に持ち越しか」と報じている。
県知事選がらみの記事では、自民党予定候補に上がっている稲嶺一郎参院議員について「稲嶺氏は辞退か」との見出しで動向を伝えている。
また、社会党の26日からの党大会を前に「基地のない沖縄を/来月、那覇で大会」との見出しで、運動方針案について紹介している。
【きょうの紙面】
2面(政行)一ドル=360円交換要求決議を要請
3面(経済)三経会、復帰対策費の復活要請へ
4面(外電)米、大幅に輸入わく拡大迫る
5面(家庭)土曜洋裁講座
6面(スポーツ)ボクシング、沖縄出身日大トリオ勝ち進む
7面(地方)名護城の桜満開
8面(二社)殺人事件の反響
9面(社会)れき殺事件、十日から軍事裁判
10面(ラテ)テレビ新番組紹介
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琉球新報デジタルは復帰50年となる2022年1月から、1972年5月15日の日本復帰に向かう沖縄の様子を日々伝える当時の琉球新報紙面を、琉球新報アーカイブから転載して紹介していきます。