実現への一歩の1年に 多様性ファシリテーター・平良亮太 <未来へいっぽにほ>


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 昨年は27年の人生の中で一番多くのお仕事をさせていただいた年だった。現在、複数の会社の事業に携わっている。未来を担う若手イノベーター人財育成プログラムの琉球フロッグスをはじめ、グローバルリーダー育成、新たな教育旅行プラン創出など、教育分野を主なテーマとしている。企業や学校向けLGBTQ研修や講演は、個人事業主として依頼を受けている。今後、より多様化していく働き方を自身でも実践しようと心掛けている。

 多様性にはたくさんの要素がある。LGBTQは性の多様性、セクシュアリティやジェンダーという要素だ。フルタイムか時短勤務か業務委託か、勤務形態も多様性の要素の一つだ。

 その他にも障がいの有無、年齢、人種、国籍、家族構成、宗教、趣味、習慣、役職など、さまざまな要素がある。そして「どの多様性の要素をどの程度重要視しているのか」は個人によって異なる。ある人にとっては趣味が、ある人にとっては働き方が、ある人にとってはセクシュアリティが一番重要な要素となる。

 自分と他者の重要視する要素は違うかもしれない。同じ要素でも重要度が違うかもしれない。そもそも自分が重要視している要素が相手には存在しているのか? こうした前提に立って、コミュニケーションを行うことが多様化した社会には求められる。

 常に自分と他者の違いを意識するのは、いささか骨が折れるかもしれない。同じであることを前提にコミュニケーションを成り立たせてきたのであればなおさらだ。だが本来社会は多様である。時間はかかるかもしれないが多様性を包括し、尊重し合い、それぞれに合った公平な機会提供ができるような社会を、これまで出会った人たち、これから出会う人たちと一緒に創りたい。私にとって2022年がその第一歩の年だ。