復帰直前の沖縄〈50年前きょうの1面〉1月12日「沖縄予算2500億円に」―琉球新報アーカイブから―


この記事を書いた人 Avatar photo 滝本 匠

 1972年5月15日に沖縄が日本に復帰してから今年で50年。27年間のアメリカ施政権下から脱して「祖国」の日本に戻るカウントダウンが進む中、本土との格差是正、自衛隊配備や米軍基地の取り扱い、ドル―円の通貨切り替え問題、初の知事選など、大きな歴史のうねりに翻弄される島の住民は山積する課題に直面する、そんな時代だった。復帰した後の沖縄の発展を展望しつつも、さまざまな制度変更にさらされる行政と政治。琉球新報の紙面もその歴史の一日一日を刻んでいった。
 

 

 復帰の年となる1972年の1月12日の琉球新報1面トップは沖縄予算。「沖縄予算2500億円に/きょう閣議で決定」「軍用地料は満額/見舞金は五年間」の見出し。

 連載「すべり出した五月返還」の4回目は「経済と当面の課題」。本土企業と肩を並べる沖縄の企業の動向や、本土との格差を想定しそこへのてこ入れの必要性も指摘している。さらには「真の復帰運動はこれから…」との小見出しで、沖縄への経済対策、いわゆる「沖縄開発三法」の充実を求めている。

 

【きょうの紙面】

2面(政行)沖縄同盟、来月、二日に「通貨スト」

3面(経済)一ドル=三六〇円交換の問題

4面(外電)牛場大使、日米関係で警告

5面(家庭)売春と青少年の健全育成

6面(スポーツ)横綱大関そろって勝つ

7面(地方)南部、キビ刈り取り準備始まる

8面(二社)西原村の重油流出事故

9面(社会)待ちぼうけくった証人

10面(芸能)坂東玉三郎と和田アキ子対談

 

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 琉球新報デジタルは沖縄の日本復帰から50年となる2022年1月から、1972年5月15日の日本復帰に向かう沖縄の様子を日々伝える当時の琉球新報紙面を、琉球新報アーカイブから転載して紹介していきます。