1972年5月15日に沖縄が日本に復帰してから今年で50年。27年間のアメリカ施政権下から脱して「祖国」の日本に戻るカウントダウンが進む中、本土との格差是正、自衛隊配備や米軍基地の取り扱い、ドル―円の通貨切り替え問題、初の知事選など、大きな歴史のうねりに翻弄される島の住民は山積する課題に直面する、そんな時代だった。復帰した後の沖縄の発展を展望しつつも、さまざまな制度変更にさらされる行政と政治。琉球新報の紙面もその歴史の一日一日を刻んでいった。
1972年1月14日の琉球新報1面トップは沖縄県知事選の革新サイドの動向。「屋良主席の再出馬確実に」「与党三党、推薦で一致/帰任しだい要請」「革新共闘 統一綱領の検討へ」の見出し。保守側の動向が報じられている中、革新側の統一候補として屋良朝苗主席で固まったという流れになっている。
沖縄関係予算の内訳や沖縄県政の予算編成の動きも大きく報じている。
それと並んで「琉球バス48時間ストに突入/〝企業暴力の追放〟要求」との見出しで交通機関のストの見通しを報じている。
別の記事では「日本に核武装の可能性も/米大使館筋が表明」と、「在日米大使館筋」が「日本の技術的能力からみて、将来日本が日米安保条約は役に立たず、アメリカの核抑止が信頼出来なくなったと判断すれば、核武装の道を選択するかもしれない」との見解を示したとの共同電を掲載している。
【きょうの紙面】
2面(政行)防衛施設庁職員近く来沖
3面(経済)「通貨」で資金量がガタ落ち
4面(外電)ガーナでクーデター
6面(家庭)お祝い品の活用
7面(スポーツ)大関琴桜早くも三敗
8面(二社)円輸送の周辺
9面(社会)再編、強化される宜野湾市の基地
10面(ラテ)テレビの話題
◇ ◇ ◇
琉球新報デジタルは沖縄の日本復帰から50年となる2022年1月から、1972年5月15日の日本復帰に向かう沖縄の様子を日々伝える当時の琉球新報紙面を、琉球新報アーカイブから転載して紹介していきます。