地域と共にある学校へ 沖縄でコミュニティ・スクール導入始まる


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県内でただ一人、コミュニティ・スクール推進員(CSマイスター)の委嘱を受けている翁長有希さん(本人提供)

 文部科学省が「地域とともにある学校づくり」を目指して推進するコミュニティ・スクール(CS、学校運営協議会制度)の導入が県内でも始まっている。CSは学校と保護者や地域住民などが力を合わせて学校運営に取り組むことが可能となる「地域とともにある学校」への転換を図るための有効な仕組みとされる。名護市や糸満市、沖縄市などが導入し、準備を進めている市町村も増えている。

 文科省は、CSと同時に学校と地域がパートナーとして行う「地域学校協働活動」の一体的な実施を推進している。学校が地域住民らと目標やビジョンを共有して子どもたちを育む「地域とともにある学校づくり」と「学校を核とした地域づくり」の実現を目指す。

 文科省は、CSを導入しようとする教育委員会や学校などに対して助言や支援を行う「コミュニティ・スクール推進員(CSマイスター)」を派遣する仕組みを導入している。

 県内ではただ一人、認定キャリア教育コーディネーターの翁長有希さんが委嘱を受けている。翁長さんは「これからは社会が大きく変化する。その社会の担い手となる子どもたちに求められる資質・能力も変わる中で、CSはその改革に対応するための基盤整備だと考えている。沖縄が沖縄らしい教育の在り方を改めて作り、発信するチャンスでもあると捉え、各自治体のサポートを行っていきたい」と話している。

 CSは、学校運営協議会を設置した学校を意味し、市町村教委が学校や地域の実情に応じて協議会を設置する。協議会の主な役割は「校長が作成する学校運営の基本方針を承認する」「学校運営について教育委員会や校長に意見を述べることができる」「教職員の任用に関して教育委員会規則に定める事項について教育委員会に意見を述べることができる」の三つ。教育委員会から任命を受けた委員が学校運営や必要な支援に関する協議を行い、学校運営に意見を反映させる。

 (中川廣江通信員)