生理の貧困問題「できることを」 生理用品の設置やアンケート…大学生が立ち上がった


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「生理の貧困」問題解決に向けて、実態把握をしながら支援をしている久保田怜さん(左端)ら=12月15日、那覇市の沖縄大

 沖縄大学福祉文化学科の学生7人が、経済的理由などで生理用品の入手が困難な「生理の貧困」問題の解決に取り組んでいる。

 同学科3年の久保田怜(れな)さん(22)は2021年、うるま市社会福祉協議会で実習をこなしながら、職員らの働きに触発されて「自分も人のために、もっとできることはないか」と考えるようになった。同じ学科の友人らと話し合い、一緒に学内の「生理の貧困」問題に取り組むことを決めた。

 「生理の悩み事は、女子同士でも言いづらい」。久保田さんたちは、うるま市社協から寄贈を受けた生理用品をトイレに設置して、困っている人がすぐに生理用品を使えるような環境を整えながら、アンケート調査を開始した。学内で「生理の貧困」状態にある学生がどれだけいるのか、どんな理由で困っているのか、どんな生理用品があると助かるのかなどの実態調査を約1カ月間実施した。今後、アンケートの集計結果を反映させながら支援活動を継続したいと考えている。

 設置した無料の生理用品は、予想以上に使用されているという。久保田さんは「必要とされている」と感じる一方で、「自分たちだけでできることには限界がある」と不安も口にする。うるま市社協から受け取った生理用品は30枚入りが36袋分。底を突くと支援を継続できないため、久保田さんたちは寄付箱も設置した。

 「協力できる人が、協力できる分だけ寄付する。1個でもいい。袋ごと入れてくれた例もある」。7人だけで支援するのではなく、支援する側の輪を広げることにも意識を向ける。「最近は助け合いの輪が広がっている実感もある。困っている人が一人でも減ってくれるとうれしい」と語った。

 (嘉数陽)