重量挙げ女子49キロ級 岸良がジャーク大会新V 全6試技「気持ち」で成功 九州高校選抜


社会
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 重量挙げの第30回全九州高校選抜大会が15日、鹿児島県の入来総合運動場体育館で開幕し、女子55キロ級で比嘉成(本部1年)がスナッチ80キロ、ジャーク92キロ、トータル172キロの3種目で大会新を記録し優勝した。同49キロ級では岸良愛天音(あてね)(嘉手納2年)がジャークで大会新の72キロを成功させトータル125キロで制した。同45キロ級で村山晴花(同2年)がトータル92キロ、同59キロ級で山里美月(同1年)がトータル134キロで頂点に立った。


全6試技「気持ち」で成功
 

女子49キロ級、ジャークで72キロの大会新を記録した岸良愛天音の試技=15日、鹿児島県薩摩川内市入来総合運動場体育館(提供)

 最終試技のジャーク3回目。予定を2キロ上回る大会新の72キロに挑んだ女子49キロ級の岸良愛天音(嘉手納2年)は、差し上げて震える体をとどめ、耐え抜いた。最初のスナッチから6回全ての試技を成功させ、初めて九州を制した。岸良は「最後は形はきれいではなかったけど気持ちで差した。すごくうれしい。全部成功で満足」と確かな手応えをつかんだ。

 ジャーク2回目で優勝を確実にし、連続試技となった3回目。当初は自己ベスト更新を狙っていなかったが、平良真理監督に「どうせなら挑戦してごらん」と背中を押された。申告の変更などでうまく休息を取り、2回目から6キロ上げて72キロに向き合うことを決めた。

 クリーンまでは練習で経験していた。あとは差しだけ。駆け付けてくれた母の顔が視界に入り、応援が力となった。

 成功を主眼にスナッチは自己ベスト以下でつないでのジャーク自己ベスト更新。岸良は「2回目からこれほどの増量幅は経験がなかった。ぎりぎりだったけどやりきれた」と大きな収穫になったよう。「全国のメンバーに選ばれたらさらに頑張りたい」と力を込めた。

 (謝花史哲)


女子55キロ級V 3種目大会新も比嘉に満足なし 日高新、自己新逃す

 スナッチ、ジャーク、トータルの3種目での大会新マークにも、女子55キロ級の比嘉成(本部1年)にとって不本意の結果に終わった。84キロで日高新を保持するスナッチは3回目で85キロに気後れしてしまい失敗。「根性なしだった。大会新を残せたことはうれしいけど目標より下」と言う。それでも「調子が悪いなりにいい試合はできた感じ」と総括した。

 アップの段階でいつもより重く感じた。開始時間の遅れも少し影響し調子を取り戻せず「慌ててしまった」。予定より軽い重量でスタートしたが、スナッチで日高新を逃し、ジャークも自己新を狙った96キロを成功できなかった。

 比嘉は「この日にいい状態を合わせられなかった。2月には全日本ジュニアの大会がある。この悔しさを受け止めて、ジュニアで頑張りたい」と巻き返しを誓った。

 (謝花史哲)