復帰直前の沖縄〈50年前きょうの1面〉1月17日「軍用地料予算、約12万平方mが対象外」―琉球新報アーカイブから―


この記事を書いた人 Avatar photo 滝本 匠

 1972年5月15日に沖縄が日本に復帰してから今年で50年。27年間のアメリカ施政権下から脱して「祖国」の日本に戻るカウントダウンが進む中、本土との格差是正、自衛隊配備や米軍基地の取り扱い、ドル―円の通貨切り替え問題、初の知事選など、大きな歴史のうねりに翻弄される島の住民は山積する課題に直面する、そんな時代だった。復帰した後の沖縄の発展を展望しつつも、さまざまな制度変更にさらされる行政と政治。琉球新報の紙面もその歴史の一日一日を刻んでいった。
 

 

 1972年1月17日の琉球新報1面トップは、復帰後の軍用地料の取り扱いについて。見出しは「来年度軍用地料予算/約12万平方メートルが対象外に」「カルテックスなど7カ所/「基地リスト」でも漏れる」「復帰後取り扱い宙に」として、返還協定で示された基地リストに含まれていない施設が復帰後どのような扱いになるのかに焦点を当てている。

 復帰後の軍用地を巡っては、米軍基地、自衛隊基地ともに賃貸契約に向けて防衛庁の野呂政務次官らが契約促進のために沖縄を訪れるという記事も掲載している。

 そのほか復帰後の沖縄開発で資金面から下支えする沖縄開発金融公庫の融資規模が450億円に決まったことを伝える記事や、再開国会に向けて「沖縄三法」などの早期成立を巡る動きも伝えている。

 また県知事選の候補者選定を巡る記事が連日のように紙面に掲載されている中、自民党沖縄県連の選対委員会の人選が決定しないことも伝えている。

 

【きょうの紙面】

2面(政行)今週から軍用道路調査

3面(特集)100万人の復帰=沖縄と憲法=

4面(外電)台湾への国連援助中止を

5面(家庭)安値で伸びるブロイラー

6面(スポーツ)金剛敗れ全勝なし

7面(スポーツ)普天間、羽地が初優勝―中学バレー

8面(地方)早く漁業権を認めよ

9面(社会)身売りされた本土就職の少女

10面(ラテ)ことしの年男・年女

 

 

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 琉球新報デジタルは沖縄の日本復帰から50年となる2022年1月から、1972年5月15日の日本復帰に向かう沖縄の様子を日々伝える当時の琉球新報紙面を、琉球新報アーカイブから転載して紹介していきます。