復帰直前の沖縄〈50年前きょうの1面〉1月18日「基地縮小交渉難航か」―琉球新報アーカイブから―


この記事を書いた人 Avatar photo 滝本 匠

 1972年5月15日に沖縄が日本に復帰してから今年で50年。27年間のアメリカ施政権下から脱して「祖国」の日本に戻るカウントダウンが進む中、本土との格差是正、自衛隊配備や米軍基地の取り扱い、ドル―円の通貨切り替え問題、初の知事選など、大きな歴史のうねりに翻弄される島の住民は山積する課題に直面する、そんな時代だった。復帰した後の沖縄の発展を展望しつつも、さまざまな制度変更にさらされる行政と政治。琉球新報の紙面もその歴史の一日一日を刻んでいった。
 

 

 1972年1月18日の琉球新報1面トップは共同電で、在沖米軍基地の縮小に向けた動向で「基地縮小交渉難航か/米側が消極的姿勢」とある。日本政府は、整理縮小の対象として牧港住宅地区など23の施設・区域を挙げているが、米側は「復帰後も在沖縄米軍勢力は変わらないだろう」(在日米大使館筋)との姿勢を示したことを伝えている。さらに「整理縮小にあたっては、米側から移転費用、新施設の建設要求が出されるものとみられ、今後の基地の整理縮小をめぐる日米交渉は曲折が予想される」と締めくくっている。

 その記事のすぐ隣では、「自衛隊 来月から沖縄配備/野呂防衛次官らが会見/局地防衛に当たる」との記事も掲載している。

 また、県知事選に向けた連日の動きとして、社大党が屋良朝苗主席の擁立を確認したことや、自民党県連の知事選候補選考の状況を伝える記事も載せている。

 

【きょうの紙面】

2面(政行)タバコ、製塩業廃転に24億円補償

4面(外電)中印国境再び緊張のきざし

5面(家庭)受験生の夜食

8面(スポーツ)金剛、貴花に屈し2敗

9面(地方)連載企画「変わる中部経済」

10面(二社)入試地獄におしつぶされた青春

11面(社会)野呂次官来沖に歓迎、阻止団肩すかし

12面(ラテ)「モトシンカカランヌー」の上映

 

 

 ◇  ◇  ◇

 琉球新報デジタルは沖縄の日本復帰から50年となる2022年1月から、1972年5月15日の日本復帰に向かう沖縄の様子を日々伝える当時の琉球新報紙面を、琉球新報アーカイブから転載して紹介していきます。