<名護市長選・序盤情勢>最重要課題は「辺野古」30%、前回よりは20ポイント減


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<争点>「経済振興」2位、26% 「教育」「コロナ対策」続く

辺野古の新基地建設現場=21年9月、名護市

 市長選で最も重要と考える政策や課題(争点)は、「米軍普天間飛行場の辺野古移設」が30.8%と最も高かった。関心の高さがうかがえるが、53.2%と半数を超えていた前回市長選時の調査に比べると20ポイント以上低下している。

 2番目に多かったのは「経済振興.観光発展.インフラ整備」の26.5%で、「教育.子育て支援」16.3%、「医療.新型コロナウイルス対策」11.1%と続く。

 「辺野古移設」を選んだ割合は男性が24.2%、女性が37.1%と女性に高い傾向が出た。男性は「経済振興.観光発展.インフラ整備」が34%と最も高かった。

 年代別に見ると、「辺野古移設」の回答は70歳以上の45.5%、60代の37.8%が選択し、それぞれの年代で最も高かった。若年層は29歳以下が29.0%、30代が23.9%と、中年層より辺野古を重視する傾向を示した。

 政党支持別に重視する政策を見ると、「辺野古移設」は自民で5.2%、公明で6.2%と低く、「経済振興.観光発展.インフラ整備」が自民49.9%、公明46.6%と高かった。これに対し、共産の74.4%、立民の69.4%、社民の52.1%が「辺野古移設」を重要争点と回答し、自公と「オール沖縄」の支持層で対照的な結果となった。

<関心度>市長選「関心ある」90%

 名護市長選に「大いに関心がある」と回答した人は64.1%、「ある程度関心がある」の回答も26.3%となり、この二つを合わせた関心度は90.4%に上った。前回18年の調査の計92.1%に比べるとやや下がったものの、依然9割以上が関心を示している。

 「大いに」と答えた人の割合を年代別に見ると30代の79.5%が最も高く、70歳以上の78%、60代の73.4%の順に高い。最も低かったのは29歳以下の22.3%で、若年層でも30代と対照的な結果となった。

 「大いに」と答えた人が考える選挙の争点は「辺野古移設」が最も高く36.8%、「経済振興.観光発展.インフラ整備」28.2%、「教育.子育て支援」13.6%、「福祉.高齢者対策」10.4%と続いた。


 名護市長選は23日の投開票に向け、新人で前市議の岸本洋平氏(49)=共産、立民、社民、社大、にぬふぁぶし、れいわ推薦=と、現職の渡具知武豊氏(60)=自民、公明推薦=が激しい一騎打ちの選挙戦を展開している。琉球新報社など3社が合同で実施した電話世論調査では9割が市長選に関心があるとしており、前回市長選と同様に、有権者の関心も高い。調査結果から有権者の意識を探った。 ('22名護市長選取材班)