復帰直前の沖縄〈50年前きょうの1面〉1月19日「米陸軍長官/核、復帰時にはない」―琉球新報アーカイブから―


この記事を書いた人 Avatar photo 滝本 匠

 1972年5月15日に沖縄が日本に復帰してから今年で50年。27年間のアメリカ施政権下から脱して「祖国」の日本に戻るカウントダウンが進む中、本土との格差是正、自衛隊配備や米軍基地の取り扱い、ドル―円の通貨切り替え問題、初の知事選など、大きな歴史のうねりに翻弄される島の住民は山積する課題に直面する、そんな時代だった。復帰した後の沖縄の発展を展望しつつも、さまざまな制度変更にさらされる行政と政治。琉球新報の紙面もその歴史の一日一日を刻んでいった。
 

 

 1972年1月19日の琉球新報1面トップは、「4月に土地賃貸仮契約/島田長官ら行政府に自衛隊配備計画を説明/協力要請はせず/沖縄を一ブロックに」との見出しで、防衛施設庁の島田長官が琉球政府に復帰後の自衛隊配備計画などを説明したことを伝えている。関連して、トップ記事のそばに見出し「台風災害などにも対処/久保局長、自衛隊配備説明/復帰直後600人派遣」との記事で、防衛施設庁の久保防衛局長が沖縄への自衛隊配備の具体的内容を説明したことを掲載している。

 この日も県知事選の関連記事を掲載しており、「政府・自民、県知事選に総力/21日に候補者決定」と自民党サイドの候補者選定の動向を伝えている。

 このほか、「米陸軍長官/核、復帰時にはない/基地縮小に努力」との見出しで、ベトナムなどの視察を終えて来沖した米陸軍トップの陸軍長官の会見の様子を掲載している。

 

【きょうの紙面】

2面(政行)米軍、従業員261人を解雇

3面(経済)沖縄アルミの操業遅れる

4面(外電)B52、南ベ中部高原をまた爆撃

5面(家庭)OL一年生へ

6面(スポーツ)大相撲の優勝は混とん

7面(地方)西原の友利さんが珍造船を特許庁に出す

8面(二社)11・10警官殺しの操作ヤマ場こす

9面(社会)狭い道路、消火モタつく

10面(ラテ)夏純子も松竹に出演

 

 

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 琉球新報デジタルは沖縄の日本復帰から50年となる2022年1月から、1972年5月15日の日本復帰に向かう沖縄の様子を日々伝える当時の琉球新報紙面を、琉球新報アーカイブから転載して紹介していきます。