沖縄コロナ、全世代に拡散 1人からの感染1.29 県疫学委「大きな流行の最中」


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沖縄県庁

 沖縄県内の新型コロナウイルス感染動向を分析する県疫学統計・解析委員会は18日、1人の感染者から何人に感染が広がったかを示す実効再生産数が沖縄本島・周辺離島で1.29(16日までの1週間)だったと発表した。「陽性者数の急激な増加は収まりつつある」との見方を示したが、依然として「大きな流行の最中にある」と強調し、特に高齢者施設に感染拡大が及ぶことに警戒を呼び掛けた。

 17日からの1週間の新規感染者は1万~1万5千人を見込むとしたが、成人の日を含む3連休で感染した人が診断を受ける時期に当たることから、3連休関連の感染者が多数出れば上回る可能性もあるとした。

 16日までの1週間の新規感染者は9355人。20代の感染者数が前週から減り「小児、高齢者を含めた全世代へと拡散し始めている」とした。

 1日から16日までに宮古島市と石垣市で確認された新規感染者1234人の重症度を分析したところ、17日時点で息切れや肺炎所見がある中等症Iは32人、酸素投与や呼吸不全がある中等症IIは20人いた。ほかは無症状または軽症だった。

 感染者数の伸びの鈍化の要因としては、まん延防止等重点措置の適用などで県民の予防に対する取り組みが表れてきた可能性があるとした。ただ、検査の予約が取れなかったり、若者にとっては軽症との情報が広がったりして検査を受けない人が出るなどして「推定値が下振れしている可能性もある」とした。(知念征尚)