一人でも多く救いたい DV被害者支援200件超「樫の木基金」


社会
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「樫の木基金」を専属で運営している樫の木委員の(右から)阿賀嶺久美子副委員長、渡名喜よし子委員長、新垣ミヨ子さん=那覇市内

 【那覇】女性と女児の生活向上を目指して活動する国際ソロプチミスト沖縄は、DV(ドメスティック・バイオレンス)被害者自立支援地域継続事業に取り組み、DV被害を受けた女性たちに経済的支援を行う「樫の木基金」を運営する。阿賀嶺久美子会長は「コロナ禍のひっ迫した状況が続く中、水面下で苦しんでいるDV被害者を一人でも多く救いたい」と話す。DV被害者に向けて「県の女性相談所や行政機関に声を上げてほしい」と呼び掛けている。

 DVは、配偶者や恋人など親密な関係にある人などから振るわれる暴力を意味し、ソロプチミスト沖縄はDV防止活動や若者に被害が増加しているデートDVの啓蒙(けいもう)活動にも力を入れている。

 「樫の木基金」は2005年に設立。樫の木委員の渡名喜よし子委員長、阿賀嶺久美子副委員長、会計の新垣ミヨ子さんの3人が専属で運営し、地道な活動を続けている。

 支援内容は、当座の生活資金や保護命令などの手続きに必要な費用、生活保護を受ける人に対しては保護費の支給までに要する費用を無利子で貸与するなど、自立しようとする人の経済的支援を行っている。

 2005年の設立から21年12月までの支援数は200件を超え、支援額は900万円以上になる。また、100件以上の返済があったという。

 樫の木委員の3人は「困っている時はお互いさまだ。支援を受けた人に余裕ができればサポートする立場になる。一人でも多くの人を助けたい」と活動の意義を語った。
 (中川廣江通信員)