琉球王国ゆかりの「越来の白椿」が見頃 例年より1カ月早く 沖縄市


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例年より1カ月も早く開花した琉球王国ゆかりの白ツバキ=1月10日、沖縄市越来

 【沖縄】琉球王国の第一尚氏第6代の王、尚泰久(1415年~1460年)にゆかりのある沖縄市の「越来の白椿」が例年より1カ月も早く見頃を迎えている。

 尚泰久が越来王子の頃、村の世利久との間にできた男児の誕生を祝い、その出産の世話に当たった川畑家に感謝し、白ツバキとミカンの木を贈ったと伝えられている。

 幾世代を経てツバキは1997年頃、枯れてしまったが、別の場所で育てていた挿し木を植え戻したという。高さは2メートル超。ミカンの木は戦災で失われた。

 同市では「越来の白椿」を文化財に指定、観光ガイドの案内ポイントになっている。地域では「清楚(せいそ)な白ツバキに尚泰久の母子に対する愛情と深い思いが込められているのではないか」と推察する。

 例年の開花は2月頃。9日、大阪からきた男女の観光客は観光ガイドからその由来を聞き、「新年にふさわしくたくさんの花を付けている。ラッキーです」と喜んでいた。
 (岸本健通信員)