バスケ天皇杯、キングス初の4強 今村と岸本の3点弾で勢い 信州に圧勝


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琉球―信州 チームに勢いをもたらした琉球の今村佳太(左)=19日、沖縄市の沖縄アリーナ(日本バスケットボール協会提供)

 バスケットボールの第97回天皇杯全日本選手権は19日、沖縄アリーナで準々決勝を行い、琉球ゴールデンキングスは信州ブレイブウォリアーズに91―67で勝利、チーム初の準決勝進出を決めた。新型コロナウイルスの感染防止のため、無観客で行われた。前半はキングスが終始リードする展開で50―32で折り返した。後半も主導権を譲らず、安定した試合運びで突き放した。準決勝は2月9日、千葉県の船橋アリーナでキングスと千葉ジェッツが対戦する。当初は5日に実施予定だったが、キングスの選手に新型コロナウイルス陽性者が出て中止になっていた。

 キングスは第1クオーターから、しつこい守備を徹底しつつ、攻撃では今村佳太や岸本隆一の3点弾で点差を付け、スタートダッシュに成功した。特に今村は連続得点でチームを勢い付けた。一度つかんだ流れを終盤まで渡さず、チーム初の天皇杯4強入りを決めた。

 岸本は「レギュラーシーズンで積み上げたものが生きる試合になった」と勝因を語った。チームはリーグで13連勝中。23勝3敗で西地区首位をひた走る。準々決勝で手堅く勝利をつかめたことは、今シーズン培った勝利の方程式を選手一人一人が認識し、チームとして戦い方を体現できている証しとなった。

 ホームでの勝利の一方でコロナ禍の影響で無観客となり、沖縄アリーナの広い空間は静まりかえった。岸本は「会場で一緒に喜んでくれる人がいなくて複雑な気持ち」と寂しさを口にした。今村は初の4強入りを「深く捉えていない。一試合一試合、自分たちのバスケができれば結果は付いてくる」とあくまで平常心だ。岸本は「ブースターと離れていても同じ気持ちを共有できることを信じて、ベストを尽くす」と、ぶれない気持ちで2月9日の準決勝に挑む。
 (大城三太)


▽男子
キングス(B1)
 91―67(29―17,21―15,25―19,16―16)
信州(B1)

 【評】キングスは序盤から3点弾や堅守からの速攻で得点を重ね、前半で18点差とリードを広げた。しつこいマークで相手のシュートの精度をそぎ、リズムをつかんで終始優位な状況を保った。両チームともベン
チ入り選手が限られるなか、キングスはリーグ戦での勢いを保ち勝利をつかんだ。

6人が2桁得点

 琉球はチーム最多の18点を挙げたクーリーを筆頭に、6選手が2桁得点して快勝した。前半は岸本と今村が3本ずつ3点シュートを決めるなど得点を重ねてリード。ゴール下ではクーリーが存在感を発揮し、後半だけで16得点と暴れた。

選手が結果残した

 桶谷大HC(キングス)の話 私自身とてもプレッシャーを感じていた。休み明けだったのと(コロナ禍で)チームとして練習ができない状態だったが、選手が結果を残してくれた。どういうゲーム展開になっても守備はしっかりやろうと話していた。

選手は頑張った

 勝久マイケルHC(信州)の話 初めてここまで勝ち上がったが、全力で戦えなかったことは悔しい。8人という少ない人数で挑まないといけなかったのは残念だが、選手は頑張った。ゲームを通して遂行力が高くなかった。反省すべき点も多く、レギュラーシーズンへ切り替えたい。