名護市長選も最終盤 選対本部長に聞く


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 名護市長選に立候補している新人で前市議の岸本洋平氏(49)=共産、立民、社民、社大、にぬふぁぶし、れいわ推薦=と、2期目を目指す現職の渡具知武豊氏(60)=自民、公明推薦=が23日の投開票に向けて激戦を展開している。選挙結果は岸田政権が進める辺野古新基地建設の進捗(しんちょく)にも影響し、県知事選の前哨戦にも位置付けられる。岸本、渡具知両陣営の選対本部長に最終盤の取り組みなどを聞いた。(’22名護市長選取材班)


岸本陣営 山里将雄氏 薬学部の設置 反応よく

インタビューに応じる岸本陣営選対本部長の山里将雄氏=21日、名護市大南

―選挙戦の手応えは。

 「十分だ。元市長の息子で4期の市議経験があるが、知名度は現職に及ばない。市民と会い、対話することを心がけ、本人の知名度も政策も浸透してきている」

 「子ども太陽基金の創設など子育て支援施策が浸透してきている。相手陣営が『再編交付金なしではできっこない』とする保育料などの無料化もしっかりやれると訴え、理解が広がっている。名桜大への薬学部設置は期待が大きく反応がよい」

―新型コロナの影響はどうか。

 「集会関係は中止し、市外からの応援の運動員も前回選に比べると少なかった。それでも多くの方が候補者への期待で協力してくれ、運動は十分できた。投票率への影響も少なくしたい」

―当選ラインの見立てと、最終盤の取り組みを聞きたい。

 「前回並み投票率だと当選ラインは2万票程度、コロナの影響で若干下がるとみたら1万8千~9千票だ」

 「最後まで支持拡大を訴える。浸透がまだ不十分な地域や年齢層などに集中的に取り組む。期日前投票にどれだけ行ってもらえるかも鍵になる」

―有権者への訴えは。

 「岸本氏は復帰っ子の49歳でまだ若い。穏やかで優しい性格だが、これはということは意思を曲げない。優しさと強さという政治家に求められる力量が備わっている」

 (聞き手 塚崎昇平)


渡具知陣営 末松文信氏 交通新政策 期待大きく

インタビューに応じる渡具知陣営選対本部長の末松文信氏=21日、名護市宮里

―選挙戦の手応えは。

 「20日に実施した『Vロード作戦』には多くの人が結集し、相当なインパクトがあった。候補者も精力的に街頭に立っており、政策が相当浸透してきたと感じている」

 「子ども医療費無償化などの『子育て3点セット』が評価されている。高齢者のコミュニティーバス無料化や名護漁港前の国道を海側に移動し、交通結節拠点を整備するなどの新たな政策への期待も大きいと感じる」

―新型コロナの影響はどうか。

 「いわゆる『どぶ板』ができない中でいかに支援の輪を広げるかに苦労してきた。街頭での演説や電話での呼び掛けにシフトした。前回選よりも街宣カーは増やしたがコロナでリモート授業などもあるので、時間や場所に配慮し対応している」

―当選ラインの見立てと最終盤の取り組みを聞きたい。

 「コロナの影響への懸念はあるが、投票率は前回と同水準の75%を見込んでいる。1万9千~2万の得票を目指す」

 「投票率を上げることが私たちのキーワード。それに向け、期日前投票を促進するということに尽きる」

―有権者への訴えは。

 「1期4年の実績もさることながら、これからの政策をどう実現するかが重要だ。必要な財源を確保できるのは渡具知氏だけだ。今後も市政を任せてほしい」

 (聞き手 大嶺雅俊)