名護市長選、最後の訴え 岸本氏「平和で豊かな市築く」 渡具知氏「にぎわい取り戻す」


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 23日投開票の名護市長選は、新人で前市議の岸本洋平氏(49)=共産、立民、社民、社大、にぬふぁぶし、れいわ推薦=と、2期目を目指す現職の渡具知武豊氏(60)=自民、公明推薦=が、告示の16日からの1週間、激しい選挙戦を展開した。選挙結果は、岸田政権が進める名護市辺野古新基地建設の進捗(しんちょく)に影響し、今年実施される知事選や参院選の行方も占う。選挙戦最終日の22日、両陣営は打ち上げ式を開き、候補者や応援弁士が必勝に向けて支持を訴えた。(’22名護市長選取材班)


【岸本洋平候補陣営】最後の訴え 平和で豊かな市築く

打ち上げ式でガンバロー三唱する岸本洋平陣営=22日、名護市大北

 信念が道を切り開く。亡き父岸本建男が退任時に発した言葉だ。市民の安全安心な暮らし、地域経済、子どもたちの未来を守るため、新しい市政をつくらなければいけない。市政を変え、地域の皆さんと名護のまちづくりを進める。国であろうと米軍であろうと言うべきことをはっきりと伝える市政が必要だ。

 市政の原点は、市民の安心安全な暮らしと生命財産を守ることだ。平和で豊かな、誇りある名護市を市民と築きたい。子育て支援、教育環境充実、高齢者や障がい者が安心して暮らせるまちづくりに取り組む。地域経済の活性化は生まれ育った政治家の責務だ。

 辺野古に新たな基地はいらない。翁長雄志前知事が命懸けで行動し、岸本建男が沿岸案を認めず「論外だ」「到底受け入れられない」との言葉を残した。稲嶺進前市長が新基地建設に向き合い反対を主張してきた。その思いを胸に、ぶれずに信念をもって戦い抜く。

<主な公約>

 市民の暮らしと経済を守るため、言うべきことを言える政治を実現する。辺野古新基地建設は認められず、市民の生命・財産をしっかり守る。ガジュマルの樹のように100年先も大きく成長し続ける市をつくる。幼児から大学生までトータルで支援する「子ども太陽基金」創設。保育料、給食費、子ども医療費は「これからも無料」。名桜大に薬学部新設。

<プロフィル>

 岸本洋平氏(きしもと・ようへい) 1972年12月19日生まれ。名護市宇茂佐出身。名護高卒、早稲田大学大学院公共経営研究科(専門職修士)修了。病院勤務を経て、2006年から名護市議4期。座右の銘は「常に心に太陽を持て」。
 


【渡具知武豊候補陣営】最後の訴え にぎわいを取り戻す

打ち上げ式でガンバロー三唱する渡具知武豊陣営=22日、名護市城

 もっと輝く名護市を掲げて選挙を戦い、市民に思いを伝えることができた。激励や「頑張れ」の声は前回より多かった。実行した政策が間違ってなかったと実感する。

 4年を通して公約の8割を達成し、進行中のものもある。今後4年間の市民との約束として40余りの項目を掲げた。名護十字路ににぎわいを取り戻し、高齢者の方々が市内の隅々まで行けるコミュニティーバス路線を確立する。女性がもっと輝く、住みよい名護市を築く。公約は市民に夢と希望を持たせるもので、実行せねばならない。私が実現した公約で少しずつ変わる名護市を市民に実感してほしい。この発展を止めてはいけない。

 掲げた公約を実現し、もっと住みよい名護市を目指す。多くの皆さんが結集し、最後まで頑張ろうという気持ちを確認できたことをうれしく、誇りに思う。この選挙戦、私を勝たせてほしい。最後までお願いを申し上げ、頑張っていこう。

<主な公約>

 しっかりした財源を確保し保育料、学校給食費、子ども医療費無償化を安定して継続する。妊娠・出産・子育てに関するサポートを実施するプライバシーを確保した施設を整備する。コミュニティーバスを導入し、高齢者のバス無料化に取り組む。新型コロナ対策室を設置する。北部基幹病院の整備を推進する。那覇方面からの高速船の就航などに取り組む。

<プロフィル>

 渡具知武豊氏(とぐち・たけとよ) 1961年8月12日生まれ。名護市許田出身。名護高卒、第一経済大(現・日本経済大、福岡県)卒。自営業や名護市議5期を経て、2018年の前回市長選で初当選。座右の銘は「為せば成る」。