名護市長選 まちの将来託して 両陣営が打ち上げ式


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 名護市長選の投開票日を前に、岸本洋平さん(49)と渡具知武豊さん(60)の両陣営は22日、市内で打ち上げ式を開き、選挙戦を締めくくった。候補者の言葉に支援者らが拍手や指笛で応え、勝利に向けて気勢を上げた。岸本さんと渡具知さんは午後8時に街頭での遊説を終えると事務所に戻り、激しい選挙戦を共に戦った支持者らに感謝し、ねぎらった。(’22名護市長選取材班)
 


【岸本陣営】「信念」に熱い拍手

岸本洋平さんの勝利を願い、ガンバロー三唱する支持者ら=22日夕、名護市宮里(ジャン松元撮影)

 岸本洋平さんの打ち上げ式が開かれた市大北5丁目交差点は、イメージカラーの青いのぼりを手にした支持者らで四隅が埋まった。岸本さんが玉城デニー知事らと共に登壇すると拍手が湧いた。

 岸本さんが、名護市長を務めた父・建男氏の言葉「信念が道を切り開く」を引き合いに、「子どもたちに基地の負担を残すわけにはいかない。信念を貫く」と新基地建設阻止を訴えると、「よし」「そうだ」の掛け声と大きな拍手が響いた。演説を終えた岸本さんは支持者とグータッチ。親子連れから花束を手渡されると笑顔で受け取った。「ようへい」コールに見送られ、遊説車で最後の訴えに繰り出した。
 

岸本洋平さん 戦い抜く決意新たに

お茶を飲み一息つく岸本洋平さん=22日午後8時33分、名護市宮里の選挙事務所(ジャン松元撮影)

 午後8時25分、最後の遊説を終えて市宮里の選挙事務所に戻った岸本洋平さんは、支持者から熱い拍手で迎えられた。

 遊説が日に30カ所を超えたこともある過酷な選挙戦を支えたスタッフに「各地域に訴えを届けてくれてありがとう。勝利の瞬間を皆さんと迎えたい」とねぎらった。

 妻の聖子さんが入れたお茶を飲み「おいしい」と一言。一票でも積み上げようと1時間後にはインスタライブの出演が控える中、「最後の最後まで気が抜けない」と戦い抜く決意を示した。


【渡具知陣営】「発展」へ共感の声

渡具知武豊さんの勝利を願い、ガンバロー三唱する支持者ら=22日夜、名護市城(大城直也撮影)

 渡具知武豊さんの打ち上げ式が開かれた名護十字路は、イメージカラーの緑の上着を着けた人や、実績が書かれたプラカードなどを持った人たちで埋め尽くされた。オリジナルの応援ソングも流れ、会場は明るい雰囲気に包まれた。

 「トグチ」コールで出迎えられた渡具知さん。自民党の島尻安伊子衆院議員、公明党の金城泰邦衆院議員や県議らを前に演台に立ち、「実行した政策は間違っていなかった」と自信を見せた。「この発展を止めてはいけない」と力を込めると、「そうだ」の掛け声と大きな拍手が上がった。式のさなか、十字路を通り過ぎる車もクラクションを鳴らすなどして応援の思いを伝えた。
 

渡具知武豊さん 支援者と家族に感謝

お茶を飲んで一息つく渡具知武豊さん=22日午後8時17分、名護市宮里の選挙事務所(大城直也撮影)

 最後の遊説を終えて、市宮里の選挙事務所に到着した渡具知武豊さんは、大勢の支援者らに出迎えられ、グータッチを交わした。

 妻の由利子さんが肩に掛かったたすきを外すと「ご苦労さん」の声とともに拍手が起きた。

 「選挙戦は投票箱が閉まるまで。明日みんなで勝とう」と気を引き締めた。この日は午前3時半に目を覚まし、長い一日だった。お茶を口にした渡具知さんは一息ついて選挙戦を振り返り「何とか乗り切れた」と支援者や家族への感謝の思いを話した。