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渡具知武豊さんの当選確実が報じられると、名護市宮里にある岸本洋平さんの選挙事務所は重苦しい雰囲気に包まれた。午後10時10分、岸本さんは支持者の前に立ち「力が足りず申し訳ない。多くの市民に支えていただいた。ありがとうございました」と述べ、深々と頭を下げた。
米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設について「国と県の係争を見守る」と、賛否の明言を避け続ける現職の渡具知武豊さんに対して「新基地建設反対」を前面に掲げた。名護市長を務め、移設容認と引き換えに国に七つの条件を突き付けた父建男さんの存在も押し出し「父の遺志を継ぎ、新基地建設をここで止める」と強く市民に訴えてきた。
保育料などの無料継続や商店街周辺の再整備、名桜大学への薬学部新設などの施策も熱心に説いた。遊説先で市民から声援を受けたり、差し入れを渡されたりすることもあり、手応えは感じていた。
報道陣の取材に、岸本さんは「新基地について市民の思いは『反対』だったと感じる。その他の政策が届かなかった」と声を落とした。