虫歯の子31→18%に改善! 市内の歯科で無料の2歳児健診が効果 浦添市


社会
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 【浦添】沖縄県浦添市は子どもの虫歯予防を目的に2015年度から市独自の事業として2歳児歯科健診に取り組んでいる。事業のかいもあって、虫歯のある子どもの割合は15年度の31.8%から18.1%(2020年度)に大幅に改善した。市は子どもの虫歯ゼロに向け、歯科健診受診や保護者による「仕上げ磨き」の徹底などを呼び掛けている。

 事業は、市内30カ所の歯科医療機関で無料で歯科健診を受診できるという内容。

 虫歯のある子どもたちが減った要因について市子ども家庭課は、健診を通じて仕上げ磨きをする保護者やかかりつけ歯科医を持つ子どもの割合が増えたことなどを挙げた。さらに、受診率のアップでさらなる虫歯有病率の低下につながると指摘する。

 子どもの歯科健診は1歳児と3歳児については法で定められており、浦添市では、1歳6カ月、3歳児健診の際に歯科健診も同時に行う。

 歯科健診では、虫歯予防効果の高いフッ素塗布や仕上げ磨きの方法、虫歯予防のための生活習慣などについて指導する。

 実際、2歳児歯科健診を実施して以降、仕上げ磨きをする保護者の割合も年々増えている。15年度は79.5%だったが、20年度には88.1%と約10ポイント増加した。さらに、かかりつけ歯科医を持つ3歳児の割合も15年度に47.5%だったのが、20年度には51.6%と半数を超えた。

 2歳児歯科健診の意義について松本哲治市長は「子どもが虫歯になって受診するケースが多いが、本来はかかりつけ歯科医に定期的に見てもらうのが理想。歯科健診の狭間にある2歳児に歯科健診を受診することで保護者の意識を高めることにもつながる」と語った。
 (吉田健一)