北部基幹病院、開院2年遅れ28年度か 免震設計や土壌汚染調査で


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北部基幹病院の建設が予定されている県立農業大学校の敷地入り口=名護市大北

 名護市の沖縄県立北部病院と、北部地区医師会病院を統合し、新たな「公立沖縄北部医療センター」(北部基幹病院)の設立について、2026年度を予定していた開院が28年度に遅れる見通しであることが24日、分かった。県や市町村、北部病院や北部地区医師会でつくる整備協議会は、2月初頭にも会合を開き、スケジュールの見直しについて話し合う。

 複数の関係者によると、開院時期が遅れる背景には、免震構造の採用や実施設計、土壌汚染調査にかかる期間の見直しがある。

 建設予定地となっている県立農業大学校(名護市大北)敷地の土壌汚染調査と施設の解体撤去には、当初6カ月程度を想定していたが、1年を見込む。実施設計の予定期間も当初の1年から1年半に延長。免震工事に約5カ月かかるとされ、調査で有害物質が見つかればさらに長期化する恐れもある。

 整備協議会が21年3月に決定した現行の基本構想では、26年度開院を明記している。スケジュール見直しには整備協議会で改めて合意し直す必要がある。関係者によると、2月2日に整備協議会を開催する方向で調整している。

 北部市町村議会議長会が県に2病院の統合を要請したのは13年だった。経営システムや財政負担などで協議がまとまらず、県や北部12市町村が合意したのは20年7月になってからだった。当初の要請から合意までに約7年を要した。

 統合後の医療センター整備で北部地域に腫瘍内科と放射線治療科を加えた34科が設置される予定だ。
 (明真南斗まとめ)